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国際宇宙ステーション・ ステータスレポート#02-40 国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗している第5次長期滞在クルーは、STS-112ミッションで運ばれる次のISS構成要素の到着の準備の一環として、9月5日にISSのロボットアーム「カナダアーム2」の点検を行いました。 「労働者の日」の休日明けの9月3日(火)の作業の初めに、コマンダー(船長)のワレリー・コルズンとフライトエンジニアのペギー・ウィットソン、セルゲイ・トレシェフは、ISSの「クエスト」(エアロック)から外に出て行われる予定の3回の船外活動の準備として、米国の宇宙服の電池の充放電作業を行いました。ウィットソンはまた、この作業に関連して、電池の充電装置のトラブルシューティングをいくつか行いました。 3人のクルーは、ISSモジュールの緊急の減圧時や、クルーに急病や怪我など救急事態が発生した際の作業や役割を確認するための緊急事態訓練を行いました。この訓練は、クルーが緊急事態発生時にすばやく効率的に対応できるよう常に準備しておくため、定期的に行われます。 ウィットソンはデスティニー(米国実験棟)と微小重力研究グローブボックス(Microgravity Science Glovebox:MSG)での研究を再開しました。MSGでは宇宙での半導体生成の実験を含む2つの実験が行われています。この密閉されたアンプル内での隔壁を使用した凝固実験(Solidification Using a Baffle In Sealed Ampoules experiment:SUBSA)では、より大きく純粋な半導体結晶を生成するため、初期の溶融・流体の運動・気泡を制御するために特別な炉が使用されています。次に行われる微小重力環境下における気孔の形成および移動性の研究(Pore Formation and Mobility Investigation:PFMI)に向けてウィットソンがMSGの構成を変更する前に、さらに2つのサンプルを用いて実験される予定です。PFMIでは、実験の過程で金属や結晶のサンプル内にしばしば混入してしまう気泡に焦点を当てて実験が行われます。この気泡は、材料の強度や有用性を損なってしまうのです。 9月5日はISSのロボットアーム作業の日でした。ウィットソンとコルズンは、ISSのトラス上にあるモービル・ベース・システム(Mobile Base System:MBS)の点検を続けると共に、彼らの操作技術を向上させるため、カナダアーム2の制御を交代で行いました。2人は、カナダアーム2のエンドエフェクタ(Latching End Effector:LEE)からペイロード/ORU把持装置(Payload and Orbital Replacement Unit Accommodation:POA)のLEEを(またはその反対も)直接確認できる位置までカナダアーム2を移動させました。これにより、テレビカメラを使ってフライトコントローラや技術者が調査するための把持機構の映像を地上に送ることができるようになりました。 次に彼らはMBSと4つの電力・通信インターフェース付き把持部 (Power and Data Grapple Fixture:PDGF)を確認できる位置にカナダアーム2を移動させました。確認が完了すると、彼らは点検のため4つ目で最後となるPDGFの把持・開放を行いました。カナダアーム2の運用の主な目的と把持部の点検は無事完了しました。 9月6日の主な作業はISSの維持作業でした。ISSのさまざまなシステムの電源を切り替える遠隔電力制御モジュール(Remote Power Controller Module: RPCM)を交換するため、デスティニー(米国実験棟)のシステムの約半分の電源を落としました。システムの電源を落とす作業とRPCMの交換は無事行われ、クルーが9月6日の午後に就寝の準備を始めた頃には、フライトコントローラは電源が落とされていたシステムを回復させました。 ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日時、また地上のある地点からのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.govをご覧ください。 ISSでの科学実験の模様については、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターのサイトhttp://www.scipoc.msfc.nasa.goをご覧ください。 次回のISSステータスレポートは9月13日に、あるいは何かのイベントが発生した時点で発行する予定です。
出典: http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2002/iss02-40.html 最終更新日:2002年 9月11日
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