国際宇宙ステーション・ ステータスレポート#02-35
第5次長期滞在クルー
2002年 8月 9日(金)午後4時00分(米国中部夏時間)
2002年 8月10日(土)午前6時00分(日本時間)
コマンダー(船長)のワレリー・コルズン、米国の宇宙飛行士ペギー・ウィットソン、ロシアの宇宙飛行士セルゲイ・トレシェフは、5ヶ月間のミッションの中での最初の船外活動の準備を行い、国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗してから9週目を終えました。
今週、クルーは、船外活動の計画の確認や、船外活動で使う予定の工具や備品の点検を行いました。コルズンとウィットソンは、米国中部夏時間8月16日午前2時40分(日本時間8月16日午後4時40分)に、「ピアース」(ロシアのドッキング室)のハッチを開け、5時間55分の船外活動を行う予定です。この船外活動で彼らは、「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)を保護するパネルの取り付けと、スラスタ噴射による汚染からISSの外側を守るように設計された装置の効果を確かめるための新しいロシアの材料曝露実験サンプルを取り付ける予定です。この船外活動のライブ放送は、8月16日午前2時(同8月16日午後4時)からNASA
TVで始まる予定です。
ウィットソンは、8月8日に、ISSのロボットアーム「カナダアーム2」を動かして、コルズンにとってはのべ3回目、ウィットソンにとっては初めてとなる船外活動時の映像をカナダアーム2のカメラで撮影できる位置に移動させました。
コルズンとトレシェフは、このミッションで2回目の船外活動(トレシェフにとっては初めての船外活動)を、8月22日遅くに開始する予定です。彼らはこの船外活動で、日本の材料曝露実験のサンプルを回収し、アマチュア無線アンテナを2個取り付け、凝縮水の収集器を点検する予定です。これらの船外活動はすべてズヴェズダ上で行われる予定です。
船外活動に関連して、コルズンとウィットソンは8月9日に、PuFF (Pulmonary Function in Flight)と呼ばれる人体生物科学実験として、肺機能の検査を行いました。クルーは、デスティニー(米国実験棟)の人体研究施設(Human
Research Facility:HRF)の装置を用いて、船外活動前後に肺機能を測定します。これにより、科学者たちは、通常よりも低い大気圧環境である宇宙服を使用することによる、人体への影響を長いレンジで判断できます。
ウィットソンは、8月7日に、4回目の密閉されたアンプル内での隔壁を使用した凝固実験(Solidification Using a Baffle
In Sealed Ampoules experiment:SUBSA)に向けて、微小重力研究グローブボックス(Microgravity Science
Glovebox:MSG)を再起動しました。SUBSAは、MSG内に設置される透明な炉であり、半導体生成に使用される熔けた流体の動きの原因を調べます。もしこの動きを軽減できれば、宇宙や地球で作られた半導体の欠点を減らすことに役立ちます。
クルーの日々の運動は、今週はほとんど自転車こぎ器と筋力トレーニング装置を使用して行われました。技術者たちは、ズヴェズダの振動分離機構付きトレッドミル(Treadmill
Vibration Isolation System:TVIS)の修理計画を作成しました。クルーは先週、歩行面の下のローラのひとつを支えているロッドのボールベアリングが動かなくなっており、そのロッドがトレッドミルのフレームとこすれ合っているのを見つけました。このロッドは現在はきちんと固定されており、クルーは、モータを使わない速度を抑えたモードでならトレッドミルが使用可能であることを確認しています。9月20日に予定されている次回のプログレス補給船にて、交換部品がISSに運ばれる計画です。
8月6日の朝、クルー全員がデスティニーに集合し、「科学の中の女性たち」(Women in Science)会議の終わりに、ボルティモアのメリーランド科学センターにいた生徒たちからの質問に答えました。この質疑応答では、無重量環境下での生活が注目されました。
ロシアの当局者は、今週、次回のソユーズ宇宙船の打上げ予定日が10月28日であることを発表しました。3人のクルーがISSで8日間を過ごす予定です。その3人のクルーは、現在ISSにドッキングしているソユーズ宇宙船で、11月7日に地球に帰還する予定です。
ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日時、また地上のある地点からのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.govをご覧ください。
ISSでの科学実験の模様については、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターのサイトhttp://www.scipoc.msfc.nasa.goをご覧ください。
次回のISSステータスレポートは船外活動後の8月16日に、あるいは何かのイベントが発生した時点で発行する予定です。
出典:
http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2002/iss02-35.html
最終更新日:2002年 8月 12日
|