国際宇宙ステーション・ ステータスレポート#02-14
第4次長期滞在クルー
2002年 3月 15日(金)午後 3時(米国中部標準時間)
2002年 3月 16日(土)午前 6時(日本時間)
国際宇宙ステーション(ISS)第4次長期滞在クルーコマンダーのユーリー・オヌフリエンコと、フライト・エンジニアのダニエル・バーシュとカール・ウォルツは、引き続き科学実験をおこなうとともに、間もなく2機の宇宙船がISSを訪れるのに備える作業をおこないました。
米国実験棟「デスティニー」に設置された植物栽培(Advanced Astroculture)実験装置から初めて植物組織のサンプルを取得しました。空気、水、土壌、そして植物のサンプルを地球に持ち帰り、地上で栽培されたものと比較研究されます。アースカム(EarthKAM)実験は第4次滞在期間中の観測を完了し、去る土曜日(3月9日)に終了しました。このデジタルカメラで先週は425枚の写真を撮影しました。このEarthKAM実験は中学生が240マイル(386km)の上空から地表の写真を遠隔操作で撮影するものであり、これまでに2,271枚の写真が撮影されています。今週はホフマン反射実験の最後のデータ取得をおこないました。これは微小重力にしばらく滞在した後に、刺激に対する脊髄の反射能力がどう変化するかを測定する実験で、長期の宇宙飛行の最中におこなう運動方法を改善するデータが得られるものと期待されています。ISS滞在クルーの中から8名がこの実験に参加しています。現在のクルーは、あとは飛行後に予定されている検査を残すのみとなりました。
クルーは使用済みの物品や不要となった装置などを、ロシアのサービスモジュール「ズヴェズダ」の後部に取り付けられているプログレス補給船に搬入する作業に着手しました。プログレス補給船は火曜日(3月19日)にISSから切り離されて地球大気圏に再突入し、焼失します。新しいプログレス補給船は3月21日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、3日後にISSに到着する予定です。
ISSクルーは4月に予定している次のスペースシャトル飛行に備えて作業の効率化を図るため、電子式在庫管理システムを利用して、機器などをシステマティックに管理しようとしています。来月スペースシャトル・アトランティス号がISSに結合すると、10人もの宇宙飛行士たちが約1週間にわたりISS内で働くことになります。ISSのサイズは現在3寝室をもつ住宅と同程度になっています。
また、ウォルツとバーシュはISSのロボットアーム「カナダアーム2」を操作し、アームの複数のカメラによりISS外部、特にデスティニー上のカニのツメのような形の掛け金(latch)を持つ台座(LCA)を点検しました。さらにISSのラジエータと太陽電池パネルも点検しました。来月に予定しているSTS-110の際は、カナダアーム2によりS0トラスをシャトルの貨物室からデスティニー上のこの台座へと移動させます。このS0トラスはこのミッションで4回予定している船外活動により台座に取り付けられます。このロボットアームは先週、主系の制御装置で不具合が発生しましたが、それ以来地上のフライト・コントローラたちは、アームの操作をずっとモニタしています。今週は冗長系の制御システムを使用しましたが、ロボットアームは正常に機能しています。
ISSクルーの活動や今後の打上げ日時などについては、http://spaceflight.nasa.govをご覧ください。
ISSでの科学実験運用につしては、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターのホ ームページhttp://www.scipoc.msfc.nasa.govをご覧ください。
この次のISSステータスレポートは3月19日、または何かイベントが発生した際に発行する予定です。
出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2002/iss02-14.html
最終更新日:2002年 3月 22日
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