国際宇宙ステーション・ ステータスレポート#02-04
第4次長期滞在クルー
2002年 1月18日(金)午後 4時(米国中部標準時間)
2002年 1月19日(土)午前 7時(日本時間)
国際宇宙ステーション(ISS)の第4次長期滞在クルーは多忙な1週間を終えました。今週は新型で、より強固なコンピュータ用記憶装置を取り付けたり、2回目の船外活動の準備をしたりしました。2回目の船外活動は、第4次長期滞在クルーの第1回目の船外活動からおよそ1週間後に実施される予定です。
フライト・エンジニアのカール・ウォルツは、地上のコンピュータの専門家と協力して、ISSの3台あるコマンド・コントロール(C&C)コンピュータの1つであるC&C1に、新しい大容量固体記憶装置を取り付け起動しました。ウォルツは2時間かかって回転ディスクを利用する古い大容量記憶装置を取り外し、地上のコントローラはさらに2時間かかってコンピュータを再起動させました。コンピュータの専門家はこのコンピュータの状態を示すデータの点検をおこなっていますが、このコンピュータは1月23日に主コンピュータC&C2のバックアップにする考えです。C&C2の大容量記憶装置は、今月早くにアップグレードされています。2月1日には、最後の新しい大容量記憶装置がC&C3に取り付けられる予定です。その他、今週フライト・コントローラたちは、ISSの2台の誘導航法制御コンピュータに新しいソフトウエアをインストールする作業もおこないました。
一方、コマンダーのユーリー・オヌフリエンコとフライト・エンジニアのダニエル・バーシュは、1月25日に予定している船外活動の準備を引き続きおこないました。今週は、オヌフリエンコとウォルツが先の船外活動で使った消耗品を補充したり、スーツを乾燥させ、ISSの外壁に取り付けるハードウエア類を準備するなどの作業をおこないました。船外活動は米国中部標準時間1月25日午前9時35分(日本時間1月26日午前0時35分)に開始され、およそ5時間30分かかる予定です。オヌフリエンコとバーシュはロシアのオーラン宇宙服を装着し、「ピアース」モジュールから船外に出る予定です。ピアースはドッキングモジュールであると共に、エアロックでもあります。ウォルツは、作業の進捗をモニタしたり、活動状況をテレビカメラで撮影するためににロボットアーム「カナダアーム2」を操作したりて、船内から作業を支援します。この船外活動はISS組立のために実施するものとしては33回目、ISSから実施するものとしては8回目となります。
2人の宇宙時代の建設作業員は、スラスタ噴射ガスの広がりを防ぐ保護シールド6個、4個のアマチュア無線アンテナのうちの2個目、制御用ジェットのガス粒子による汚染調査用の交換装置や物理実験装置など、サービスモジュール「ズヴェズダ」の外壁に11個の部品を取り付けます。スラスタ噴射ガスの広がりを防ぐ保護シールド「エフラックス(Efflux)」は、ISSの姿勢を制御するジェットの方向を偏向させることにより、船外活動要員が作業する外壁上に有害な物質が付着しないようにするためのものです。スーツケース大の実験装置「クロムカ1」(Kromka 1)は現在使用されているクロムカ1-0と交換されます。クロムカ1は新しい材料のサンプルを、噴射ガスの汚染物質を採取できる場所に取り付け、あとで分析する装置です。(クロムカ1-0のサンプルはバッグに詰めこんでISSに回収し、帰還用のソユーズ宇宙船で地球に持ち帰ります。)プラタン-Mパッケージは、太陽や銀河を起源とする自然の低エネルギーの重い原子核を収集する物理実験装置です。
アマチュア無線アンテナは4つのアンテナの1つであり、4つが揃うとISSクルーは、ズヴェズダ内の居室からハムの交信ができるようになります。
クルーがISSの建設やメンテナンス作業をしている間も、実験棟「デスティニー」内では多くの実験装置が、長期の宇宙飛行が人間に及ぼす影響、バイオテクノロジー、医学、農業、電子工学、薬の調合などのデータを収集しています。
ISS上でのクルーの最新の活動状況や今後の打ち上げ予定などについては、次のサイトhttp://spaceflight.nasa.gov/をご覧ください。
ISSの科学実験の詳細については、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センター内ペイロード運用センターのサイトhttp://www.scipoc.msfc.nasa.govをご覧ください。
次のステータスレポートは1月25日に、船外活動終了後に発行する予定です。
出典: http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2002/iss02-04.html
最終更新日:2002年 1月 22日
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