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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート

国際宇宙ステーション・ ステータスレポート#01-35
第3次長期滞在クルー
2001年 10月10日(水)午後5時(米国中部夏時間)
2001年 10月11日(木)午前7時(日本時間)



第3次長期滞在クルーは1回目の船外活動を成功裏に終了し、10月15日に予定している次の船外活動の準備をしています。ロシアの宇宙飛行士、ウラディミール・ジェジューロフとミハイル・チューリンが、前回と同様にこの船外活動も実施する予定で、コマンダーのフランク・カルバートソンはISS内部から船外活動の指揮をとります。これはISS組立のために実施する28回目の船外活動となります。

一方、モスクワのミッションコントロールセンターでは、フライト・コントローラたちが、木曜日に実施する予定のリブースト(軌道高度を上昇させる制御)の準備をしていました。このリブーストは、今月末に新しい(緊急帰還用の)ソユーズ宇宙船をISSに向けて打ち上げる準備として、無人のプログレス補給船のエンジンを噴射してISSの高度を上昇さるものです。

エンジンの噴射は2回、米国中部夏時間10月11日午前5時32分(日本時間10月11日午後7時32分)と、10月11日午前10時55分(同10月12日午前0時55分)に実施する予定です。

次の船外活動は10月15日午前4時15分(同10月15日午後6時15分)に開始し、微少粒子やその他の宇宙の過酷な環境が材料に及ぼす影響を調査する実験装置を「ズヴェズダ」サービスモジュールに取り付ける作業をおこなう予定です。この船外活動は新しく取り付けられたドッキング室「ピアース」を使用して実施されます。

本日、ロシアと米国のフライト・コントローラたちは、酸素供給用のキャンドルを3本、ISS内で木曜日から試験的に燃焼させることで合意しました。このキャンドルは特別な容器に入っており、ズヴェズダ内のロシア製の酸素発生システム「エレクトロン」に問題が生じたときに使用されるものです。エレクトロンと二酸化炭素除去装置の「ヴォズドゥク」は正常に作動しています。

先週月曜日の船外活動では、3週間前にズヴェズダに結合させた「ピアース」とズヴェズダとの間にテレメトリやデータ用のケーブルを敷設するなど、1つの作業を除いて全ての目的を果たしました。その他にジェジューロフとチューリンは、ハンドレールやハッチへ出入りするためのはしご、船外活動用クレーン、ドッキングターゲット、自動ドッキング用のアンテナなどの取り付けもおこないました。

船外活動は予定よりも時間がかかったので、「ピアース」に取り付けられた船外活動用のクレーン「ストレラ」の剛性を確認する試験は延期されました。これは11月5日にカルバートソンとジェジューロフが実施する、この滞在クルーによる第3回目の船外活動の際におこなわれる予定です。この船外活動により、「ピアース」の外部でおこなう整備作業は完了する予定です。

今週実施した船外活動の際に、ジェジューロフとチューリンが、ズヴェズダのスラスタ付近に若干の変色した部分があることを発見したため、米国とロシアのISSの担当者は、来週月曜日にズヴェズダに取り付ける予定の実験装置のうち、1つの取付け位置を変更することで合意しました。「クロムカ(Kromka)」と呼ばれるこの実験装置は、サービスモジュールの地球方向と反対側(深宇宙方向)に取り付ける予定でしたが、現在はサービスモジュールの左舷に取り付けることになっています。「クロムカ」は、ISSのスラスタを噴射したときにまき散らされる、汚染の原因となる粒子の量を最少にする方法を研究し、将来のISSの外部を防護することを目的とする実験装置です。

水曜日に、クルーは「アースカム(EarthKam)」の最初の写真を成功裏にISSから地上にダウンリンク(downlink:伝送)しました。この実験では学生が写真に撮りたい地球上の地域を選択し、その地域の情報をインターネット経由でカリフォルニア大学サンディエゴ校のアースカム・コントロール・センターに送信し、ここからISSにアップリンク(uplink:伝送)してもらいます。リモートコントロールで撮影した写真は、同じ経路で学生に届けられます。

第3次長期滞在クルーは10月19日に、ズヴェズダの地球側のドッキングポートに結合しているソユーズ宇宙船に搭乗して結合を解除し、「ピアース」に改めて結合する予定です。これにより、10月21日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げる予定の、交換用のソユーズ宇宙船が結合する場所となる、ザーリャのドッキングポートが確保されることになります。このソユーズには、コマンダーのヴィクター・アファナシェフ、フライト・エンジニアのコンスタンチン・コゼィエフとフランスの国立宇宙研究センターのフライト・エンジニアのクラウディ・ハイグネアから成るクルーが搭乗しますが、これはタクシー・クルーとも呼ばれています。タクシー・クルーは10月23日にISSに結合し、現在ISSに結合しているソユーズ宇宙船に乗り替えて、10月31日にISSを後にする予定です。

ISSのシステムは良好に稼働しており、平均高度240マイル(約385km)で軌道を周回しています。

第3次長期滞在クルーは、ISS上で科学実験の実施や監視を続けています。ISSで実施する科学研究の地上からの管理は、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターでおこなっています。また、人体研究施設(HRF)はジョンソン宇宙センターで管理しています。詳細については、ペイロード運用センターのウェブサイトをご覧ください。
    http://www.scipoc.msfc.nasa.gov

次のステータスレポートは、10月15日(月)のEVAの完了後、又は何かイベントが発生した時点で発行します。


出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2001/iss01-35.html

最終更新日:2001年 10月12日

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