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国際宇宙ステーション・ ステータスレポート#01-32 米国中部夏時間9月26日午前10時36分(日本時間9月27日午前0時36分)に、モスクワのミッションコントローラたちは火工品に点火し、ドッキング室「ピアース」の長さ20フィート(約6.1m)の推進モジュールをバネの力で切り離しました。推進モジュールは、ISSから秒速約4mで、制御用スラスタのジェット噴射による汚染の心配のないところまで遠ざかり、さらにISSの前方上方24km付近まで移動して軌道から離脱するための噴射をおこない、大気圏に突入して焼失しました。あとには長さ16フィート(約4.9m)重量4トンの「ピアース」が残されました。「ピアース」は将来ロシアの宇宙船がISSに到着したときにドッキングポートとして使用され、ISSのロシアのセグメントから船外活動を実施するときのエアロックとして使用される予定です。 本日の作業により、ジェジューロフとチューリンが10月8日に予定している、「ピアース」からの初めての船外活動の準備が整いました。この船外活動では2人はロシアのオーラン宇宙服を着用して、「ピアース」と「ズヴェズダ」間に電力とデータ通信用の配線を接続する作業をおこないます。2回目の船外活動は10月14日に、また3回目は11月早々に予定されています。 ヒューストンとモスクワのフライト・コントロールチームは、今週ロシアのセグメントで発生した、酸素発生装置「エレクトロン」とズヴェズダ内のエアコン装置の故障原因の調査を検討しています。ロシアのフライト・コントローラたちは故障の原因究明のためにデータを分析中であり、ロシアの2つの機器が修理か交換できるまで酸素供給機能をバックアップしてもらうよう、米国の技術者たちと協議しています。ISS内の空気には1週間分の酸素が含まれており、エアロック「クエスト」のガスタンクにも十分な量の酸素が蓄積されていますし、1ヶ月分の酸素を供給できる固体の酸素発生キャンドルもあります。その他に実施された修理作業としては、今週クルーは、ズヴェズダ内の煙感知器を10個交換しました。「エレクトロン」の故障は、ISSの運用にはまったく影響はありません。 一方、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地では、交換のため10月21日に打上げを予定している帰還用ソユーズ宇宙船の準備がおこなわれています。ISSの滞在クルーは、新しいソユーズが到着するのに備えて、現在「ザーリャ」の地球側のドッキングポートに結合しているソユーズ宇宙船を、10月19日に「ピアース」の新しいドッキングポートに移動させる予定です。コマンダーのヴィクター・アファナシェフ、フライト・エンジニアのコンスタンチン・コゼィエフとクラウディ・ハイグネアが゙10月23日にISSに到着し、8日間滞在することになっています。 軌道上の3人は、ある種の化合物が腎臓結石を防ぐ能力の研究など、科学研究の範囲を新しい分野にも拡大しています。今週、カルバートソンは実験の準備をし、自ら最初の実験台となりました。この実験は本物の錠剤と偽物の錠剤を服用して、小さな母集団における効果を調べようとするものです。クルーメンバーの飲料や食料の摂取状況の詳細なデータを入手するために、尿のサンプルを集めます。他の2名もこの実験に参加する予定です。クルーはまた、能動的なラック振動防止システム(ARIS)のテストも引き続きおこないました。このテストでは、クルーの日常の活動により発生する振動から、振動に敏感な実験を保護するための性能を調べる目的で、強制的に何度も振動を加えます。ISSで実施する科学研究の地上からの管理は、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターでおこなっています。また、人体研究施設(HRF)はジョンソン宇宙センターで管理しています。詳細についてはセンターのウェブサイトをご覧ください。 ISSは平均高度240マイル(約385km)の軌道を周回しています。 次のISSステータスレポートは10月3日(水)に、あるいは何かイベントが発生した際に発行する予定です。
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