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国際宇宙ステーション・ ステータスレポート#01-27 第3次長期滞在クルーのコマンダーであるフランク・カルバートソン、パイロットのウラディミール・ジェジューロフ、フライト・エンジニアのミハイル・チューリンは、4ヶ月の滞在予定の4週間目に入っています。今週はISSシステムの障害に妨げられることもなく、ほとんどの時間を実験作業にあてています。その他、トレッドミルのワイヤをチェックして運動に使用できることを確認し、エアコンシステムのフレオンの微量な漏れを止めるために配管を締め付けたり、実験棟「デスティニー」の故障していたビデオテープレコーダ(VTR)を新品と交換するなど、軽度の修理作業もおこないました。 今朝早くに、クルーはISSの太陽電池パドルに太陽光が良く当たるようにするためにISSの姿勢をわずかに変更する作業を、フライトコントローラの支援を受けながら実施しました。ISSから見た太陽方向の角度は季節とともに変動します。最近、南半球を通過中のISSから見た見かけ上の太陽角はかなり低くなっていましたので、太陽電池パドルが南の太陽方向を向くようにISSの姿勢を変更していました。その後、ISSから見た見かけ上の太陽角が徐々に高くなってきたので、太陽電池パドルがISSの進行方向と直角になるように、本日、ISSの姿勢を戻しました。これは自然に安定する姿勢であり、できればISSはこの姿勢を保つことが望ましいとされています。このような姿勢の調節は、発電量を最適にするために定期的に行われています。本日遅くに、カルバートソンはISSのロボットアーム「カナダアーム2」を操作して、今週の金曜日に実施する予定の「デスティニー」の排水口からの下水の放出を、アームに取り付けられているテレビカメラで見ることができるようにしました。約5ガロン(約19リットル)の水が10分間で外部に放出され、排出された水の結晶の挙動が録画される予定です。クルーは水の放出前と放出後にISSの外壁面をテレビカメラとスチルカメラでも撮影することにしています。これまでもデスティニーの排水口から水の放出はおこなわれていましたが、金曜日の作業では放出された水がISSの周囲からどのように離脱していくかを、技術者が特性を十分理解できるように観察することができます。 今週の科学研究のハイライトは、人間の細胞の培養実験の完了でした。この実験は結腸ガン、腎臓ガン、卵巣ガンの細胞を培養し、今年末に地球に持ち帰って医学研究に利用するというものです。 クルーはまた、振動を吸収するシステムの特性を研究する一連のテストの準備として、実験装置を取り付けました。振動は、敏感な実験の妨げとなります。さらに軌道上の放射線環境測定装置からのデータの収集を引き続き実施するとともに、その他の実験の状況をモニタしました。 フライト・コントローラとISSのクルーは、ロシアのモジュールをISSに取り付けるという、次の組立作業の準備をしています。このモジュールはカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から来週打ち上げられる予定です。ロシアのエアロックとドッキングポートを兼ねる、「ピアース」ドッキングコンパートメントは、ソユーズロケットで米国中部夏時間9月14日午後6時35分(日本時間9月15日午前8時35分)に打ち上げられる予定です。ロシア語で桟橋を意味する「ピアース」は、9月16日午後8時8分(同9月17日午前10時8分)に、ISSの「ズヴェズダ」居住モジュールの地球側のドッキングポートにドッキングする予定です。 ISSでおこなわれる科学研究の地上からの監視作業は、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターで実施しています。科学研究活動の詳細につきましては次のサイトをご覧ください。 ISSは平均高度240マイル(約385km)で軌道を周回しています。次のステータスレポートは9月12日又は何かイベントが発生した際に発行する予定です。
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