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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート

国際宇宙ステーション・ ステータスレポート#01-16
ミッションコントロールセンター ヒューストン
2001年 5月 30日(水)午後 4時(米国中部夏時間)
2001年 5月 31日(木)午前 6時(日本時間)

 

国際宇宙ステーション(ISS)のロボットアーム「カナダアーム2」の関節の1つに発生している通信機能の不具合を、制御用コンピュータのソフトウエアを修正して解決しようとする試みは失敗に終わりましたが、技術者たちは引続き問題の解決に努力しています。

カナダアーム2をバックアップ系で動かす場合、肩のピッチ軸関節(縦方向の動きに係わる関節)とバックアップ用コンピュータとの間の通信に不具合が生じています。この不具合の解析にはさらに時間を要するので、スペースシャトル計画とISS計画のマネージャたちは、アトランティス号によるSTS-104ミッションの打上げを、7月上旬以降に延期しました。このミッションではエアロックをISSに運ぶ予定です。その次のISS組立ミッションはディスカバリー号によるSTS-105で、このミッションではダン・バリーとパトリック・フォレスターが船外活動を2回実施する予定ですが、そのどちらかで肩の関節を交換することを検討するために、こちらも打上げは8月上旬以降に延期されました。関節を交換するか否かについては未だ最終決定には至っていません。

前回のミッションで取付けたカナダアーム2は、完全に2重化されたコンピュータ制御システムを持っています。主系を使用した場合は全ての関節は完全に機能するのですが、バックアップ系では、手首の動作試験の際、予期せぬ時にアームのブレーキがかかってしまうといったいくつかの不具合が最近生じました。このブレーキが急にかかるという不具合はその後のテストでは再発していません。肩のピッチ軸関節の障害は、先週カナダアーム2の別の機能を点検しているとき、バックアップコンピュータとの通信が断続的に途絶えるという状況として発生したものです。

カナダアーム2の設計者が開発したソフトウエアの修正版を使用すれば、通信が途絶えるという現象を回避できると期待されていたのですが、問題の解決には至らず、さらなるテストと解析が必要となりました。ロボティクスの専門家は、この障害はピッチ軸の関節自体に原因があり、ソフトウエアやコンピュータが原因ではないと考えています。第2次長期滞在クルーのフライト・エンジニアのジム・ヴォスとスーザン・ヘルムズは、エアロックを取付けるリハーサルを本日する予定でしたが、これは延期されました。

カナダアーム2はアトランティス号の貨物室に搭載されたエアロックを把持し、ISSのユニティの進行方向右側のドッキングポートに取付ける作業に使用されます。このエアロックは重さが12.5トンあります。このエアロックを使用すると、米露いずれの宇宙服でも船外活動ができるようになり、ロシアの宇宙服を使う際もロシアのズヴェズダを使う必要はありません。スペースシャトルのロボットアームはこのエアロックを取付ける場所までは届きません。

ISSのマネージャたちは、ジム・ヴォスとコマンダのユーリー・ウサチェフが6月8日に予定している、ズヴェズダの球形の移送区画(transfer compartment)内で実施する"船内での"船外作業の際に、カナダアーム2のコンピュータを交換する作業を追加するか否かを、今週の金曜日に決定する予定です。この船外活動はISSをベースとして実施する初の船外活動です。この船外活動は今年後半にロシアのドッキングモジュールが到着するのに備え、ドキング機構の位置を変更することを目的としています。この計画が承認されれば、ロシアの宇宙服を着たウサチェフとヴォスは、先ずズヴェズダからISSの外に出てカナダアーム2のコンピュータを交換してからズヴェズダに戻り、ドッキング機構を移設することになります。

技術者たちはまた、P6太陽電池パドルのトラス構造体に取り付けられている2つのパドルの片方のモータの状態について調査しています。このモータは、ISSが地球を周回する間に太陽電池パドルを太陽の方向に向ける働きをしています。現在はISSの全システムを稼働させるのに十分過ぎるほどの電力が供給されていますが、このモータの電流値が正常値よりも大きいため、今後のスペースシャトルによる組立飛行での交換が必要になるかも知れません。

一方、滞在クルーのウサチェフ、ヴォス、ヘルムズたちは、先週3,100ポンド(約1,400kg)の食料、衣服、予備の部品などの補給品を運んできた無人のプログレス補給船からの荷下ろしを完了しました。このプログレスで運ばれた予備のハードディスクドライブ1台は、3台あるISSの中央コンピュータのうちの1台と交換され、ISSのコンピュータは完全に機能を回復しました。

科学研究活動は、引き続き行われています。人体研究(HRF)ラックは、NASAジョンソン宇宙センターのテレサイエンス・サポート・センター(TSC)でモニタされ、コントロールされています。また、他のISS内の実験装置(ペイロード)は、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センター内のペイロード運用センターで管理されています。ISSで実行中の研究活動の詳細については次のウェブサイトをご覧ください。                     http://www.scipoc.msfc.nasa.gov

第2次長期滞在クルーの活動状況説明をNASA TVで、米国中部夏時間5月31日午後2時(日本時間6月1日午前4時)から放送します。NASAのセンター間を結んでの質疑応答も行われます。また、米国人ジャーナリストとの第2次長期滞在クルーの記者会見が6月1日(金)午前8時(同6月1日午後10時)に予定されており、やはりNASA TVで放送される予定です。

ISSは、250マイル(401km)の高度を周回しています。次のステータスレポートは必要に応じて発行する予定です。

 

出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2001/iss01-16.html


最終更新日:2001年 6月 1日

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