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国際宇宙ステーション・ ステータスレポート#01-09
国際宇宙ステーション(ISS)の第2次長期滞在クルーのコマンダーであるユーリー・ウサチェフ、フライト・エンジニアのジム・ヴォスとスーザン・ヘルムズは、先週は実験や船室内の整理をしたり、若干のメンテナンス作業をしたりして過ごしました。 ISSのKuバンドアンテナの起動作業は、パラボラアンテナの指向方向の誤差に対処するためのソフトウエアの修正が木曜日に完了するまで中断しています。Kuバンドシステムはテレビ画像、音声、高速データの伝送に使用されます。通常の通信はSバンドの音声システムで行っています。テレビ画像が必要なときは、ラップトップコンピュータによるデジタルビデオシステムで対応しています。 クルーはまた、デスティニー内の二酸化炭素除去システムの修理のために部品を交換しました。新たに見つかった、この装置の排気バルブの流れが悪いという現象の原因調査は引き続き行われています。ズヴェズダ内の二酸化炭素除去システムは正常に稼働しており、船室内の空気を清浄に保つには十分な能力を発揮しています。 現在、酸素はプログレス補給船のタンクから供給しています。昨日は、このタンクからISS内へ酸素を補給しました。プログレス補給船が結合していないときはズヴェズダ内のロシアのエレクトロン(Electron)システムが酸素を発生してくれますが、いまはその必要がないので稼働させていません。 修理作業や室内整理などの雑用の他に、実験も行いました。デスティニー内の人体研究設備(HRF)ラックは、ヒューストンのミッション管制センター内の飛行管制室近くのテレサイエンス支援センターから、研究・運用チーム(science and operations team)が管理・運用を行います。ISSに搭載されている全ての実験機器は、アラバマ州ハンツビルのマーシャル宇宙飛行センター内のペイロード運用センターからモニタしています。ISSで行われる科学研究の詳細については次のサイトをご覧ください。 http://www1.msfc.nasa.gov/NEWSROOM/news/releases/2001/01-105.html 現在ズヴェズダの後部に結合しているプログレス補給船は次のシャトルが到着する準備として、4月15日ころ分離する予定です。次のシャトル飛行では、カナダが製作したISS用のロボットアームと、イタリア宇宙庁が提供する2台目の補給モジュール「ラファエロ」をISSに輸送します。プログレスが結合していたドッキングポートには、現在ザーリャに結合しているソユーズ宇宙船を4月17日頃に移動させます。こうすることにより、次のシャトルミッション期間中にラファエロをザーリャの隣のユニティに空間的な余裕をもって結合させることができます。木曜日には、エンデバー号とそのクルー及びISS側のSTS-100に対する準備状況を評価する飛行準備状況審査会が開催され、現在4月19日頃に設定されている打ち上げ日が最終的に決定される予定です。 今朝、ズヴェズダのコンピュータによるジェット噴射コマンド機能を評価するために、プログレス補給船のスラスタの小規模なテスト噴射を実施しました。この短時間のエンジンの噴射でISSの速度はわずかに毎秒1m加速されました。地上からズヴェズダのコンピュータを経由してプログレス補給船のスラスタにコマンドが送信されたのはこれが初めてです。 このテストは、来週に予定しているプログレス補給船のエンジンによるISSの軌道修正の準備として実施しました。この軌道修正は現在ISSに結合しているソユーズ宇宙船と交換するために、新しいソユーズ宇宙船をカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げるための準備として行うものです。ソユーズ宇宙船は半年毎に定期的に交換することになっています。この宇宙船のクルーはタクシークルーと呼ばれていますが、新しい宇宙船を届け、昨年10月に第1次長期滞在クルーを乗せて打ち上げられたソユーズに乗って地球に戻ってきます。 火曜日夜には、ISSの姿勢制御を、電気的に駆動するコントロールモーメントジャイロ(CMG)による方法から、ズヴェズダのスラスタによる方法に切り替えました。これはCMGに問題が生じたときに自動的に切り替わることを確認するために行ったものです。4基あるCMGのうち1基しか稼働しなくなったとシステムが判断すると、スラスタ方式に自動的に切り替わりました。このテストにより、システムが完璧に作動していることが確認されました。 ISSは良好な状態にあり、高度238マイル(約383km)で地球を周回しています。次のステータスレポートは4月11日に発行する予定です。
出典: http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2001/iss01-09.html
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