|
||||||
国際宇宙ステーション・ステータスレポート#00-62
コマンダーのビル・シェパード、パイロットのユーリ・ギドゼンコ、そしてフライトエンジニアのセルゲイ・クリカレフは昨日までの2日間でハードウエアの管理をするコンピュータデータを更新しました。このコンピュータデータは、クルーが使用する全ての装置の所在を示すファイルを管理する在庫管理システムの一部で、ISS内の全てのハードウエアを見失わないようにするためのものです。 宇宙で50日、ISSで48日を過し、4ヶ月の予定の任務も半ばにさしかかったシェパード、ギドゼンコ、クリカレフは、環境制御システムと通信システムの定期点検を行いました。 「エレクトロン」酸素発生システム、「ヴォズドゥク」二酸化炭素除去システム、空調システムは居住区画であるズヴェズダ内で良好に作動し、3名のクルーに快適な環境を提供しています。一方、米国の実験棟デスティニーをISSに取り付ける任務を負って来月打ち上げられるSTS-98のアトランティス号に、ISSの主要システムの予備の部品をどの程度積んでいくかを決める作業が進められています。その他の予備の部品は2月10日頃に打上げが予定されているこの次のプログレス補給船で運ぶことにしています。 ISSのクルーは来週月曜日のクリスマスの日は、先のプログレス補給船やSTS-97のエンデバー号の宇宙飛行士が届けてくれたプレゼントを開いたり、家族とプライベートな会話をしたり、水で戻した七面鳥のディナーを食べたりして、宇宙でのクリスマスを静かに祝う予定です。昨日シェパードは、クリスマスの日にISSのクルーは、窓の下の地球を眺めながらゆっくりと過ごすつもりだと話していました。 今週米国とロシアのマネージャーたちは、2機目のプログレス補給船のISSへの再ドッキングを、米国中部標準時間12月26日午前5時(日本時間12月26日午後8時)頃に実施する計画を、正式に承認しました。プログレス補給船はギドゼンコがザーリャの真下についている、地球側のドッキングポートに手動で誘導する予定です。ギドゼンコはズヴェズダの制御盤で遠隔航法システムTORUのジョイスティックを操作し、プログレス補給船をISSとの2度目のドッキングへと誘導します。 本日早くにロシアのフライトコントローラは、ISSとの再ドッキングに向けてプログレス補給船の一連の軌道制御の第一回目を実施しました。この制御はISSの前方約2300km付近で実施されましたが、これによりプログレス補給船の軌道高度は高くなり、ISSとの距離は地球を1周する毎に約40kmづつ縮まり、今週末にはプログレス補給船はISSの600km前方まで近づく予定です。この次の軌道制御がクリスマス当日と、さらに12月26日の朝にも予定されており、プログレス補給船がズヴェズダのドッキングポートの200m下に到達したところでギドゼンコが、手動操縦に切替えて接近を行う予定です。 ドッキングが完了するとプログレス補給船は、次のシャトルによるISSの組み立てミッションでアトランティス号が打ち上がった翌日にISSから分離されるまで、ISSのクルーの廃棄物の入れ物として使用される予定です。このプログレス補給船はカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から去る11月16日に打ち上げられ、自動ドッキングシステムのソフトウエアに不具合が生じたために、ギドゼンコが手動により11月18日にISSにドッキングさせました。そしてエンデバー号打上げ翌日の12月1日にISSから分離されて待機軌道に移され、この間にロシアの技術者が自動ドッキングシステムのソフトウエアの改修をしていました。この改修の結果は来週火曜日のランデブーと再ドッキングの際にテストされる予定です。 第1次長期滞在クルーの状況説明会が12月21日(木)午後3時(同12月22日(金)午前6時)にテキサス州ヒューストンのジョンソン宇宙センターで開催され、飛行の進捗状況と3名のクルーの今後の作業などにつき説明が行われる予定です。説明者としては、第1次長期滞在クルーのフライトディレクタのリーダーであるジェフ・ハンリー氏、ISSのフライトディレクタのジョン・カリー氏を予定しています。カリー氏はプログレス補給船の再ドッキング計画全般を担当しています。この説明会ではNASAのセンター間での質疑応答が行われ、NASA TVで放映される予定です。 この次のステータスレポートはプログレス補給船ドッキング後の12月26日(火)(同12月26日(火)又は27日(水))に、あるいは状況によっては早目に発行する予定です。
出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2000/iss00-62.html
|