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国際宇宙ステーション・ステータスレポート#00-61
コマンダーのビル・シェパード、パイロットのユーリ・ギドゼンコ、フライトエンジニアのセルゲイ・クリカレフは、エンデバー号のクルーが去った後のISS内部をきちんと整理しました。エンデバー号のミッションで取り付けた巨大な太陽電池パドルは端から端まで240フィート(約73m)もの長さがあり、約50kWの電力を発電しています。 ISSのクルーはロシアの太陽電池パドルで発電してザーリャやズヴェズダで利用している電力を増強するために、米国の太陽電池パドルで発電される電力を送電できるようにしました。またこの太陽電池パドルを取り付けてあるP6トラスの2つのラジエータをテストしました。このラジエータはP6トラスに取り付けた機器で発生する熱を放熱するためのものです。 ヒューストンにあるジョンソン宇宙センターのフライトコントローラたちは、エンデバー号のミッションでZ1トラスからP6トラスの上部に移設して最近起動したばかりのSバンド通信システムをテストし、低速テレメトリの受信可能時間がエンデバー号の到着前よりも10~15%長くなったと報告しています。 また、秒速訳5マイル(約8km)で地球の低軌道を飛行中のISSに帯電した電気をZ1トラスにあるプラズマ生成ユニットが放電していることを、P6トラスの上部に取り付けたプラズマ電位測定装置(FPP)から送られて来るデータが示していると、技術者たちは報告しています。 ISSのクルーは、2001年1月にスペースシャトルアトランティス号がSTS-98ミッションで米国の実験棟を搭載して到着するための受入れ準備をしています。アトランティス号は、シャトルの固体ロケットブースタ(SRB)を切離すボルトを爆破する装置に関連するケーブルの調査結果に特に問題がなければ、ケネディ宇宙センターの発射台にこの週末にも移動(ロールアウト)する予定です。この調査は11月30日のエンデバー号の打上げの際に上記ボルトの1本がうまく作動しなかったことから実施されることになったものです。 ところで、ISSのクルーは地球に帰還するときに搭乗するSTS-102のディスカバリー号の打ち上げが遅れるため、軌道上に2週間ほど長く滞在することになります。このディスカバリー号は第2次長期滞在クルーを乗せて、シェパード、ギドゼンコ、クリカレフ宇宙飛行士たちと交替させるために、元々は2月15日に打ち上げる予定だったのですが、スラスタを10個交換しなければならなくなったため、打ち上げ予定は3月1日へと延期されました。ISSには十分な補給品がありますので、宇宙での滞在が2週間伸びても影響はありません。 米国とロシアのISSのマネージャーたちは、ロシアの無人のプログレス補給船を今月末にISSに再度ドッキングさせる件について検討を続けています。11月に第1次長期滞在クルーに食料や補給品を運んできたプログレス補給船は12月1日にISSから分離され、ISSから何百マイルか離れた待機軌道上に移されています。ロシアのフライトコントローラたちは、来月アトランティス号をISSに向けて打ち上げる前にプログレス補給船をISSに再ドッキングさせ、廃棄物の入れ物として利用したいと考えています。ギドゼンコ宇宙飛行士がズヴェズダ内の制御パネルの手動航法装置でプログレス補給船を操縦する場合の太陽光の条件を考慮すると、再ドッキングの時期は12月24~28日の間がよいとされています。 ISSは230マイル(370km)の高度を良好な状態で周回しており、第1次長期滞在クルーは宇宙での滞在44日目、ISSへの滞在42日目を迎えています。 第1次長期滞在クルーのフライトディレクタのリーダーであるジェフ・ハンリー氏のミッション進捗状況説明が、米国中部標準時間12月15日午後3時(日本時間12月16日午前6時)にジョンソン宇宙センターで行われ、各センターからの質疑応答も行われる予定です。この模様はNASA TVで放送される予定です。さらにその次の説明会が12月21日午後3時(同12月22日午前6時)に、ジョンソン宇宙センターで同氏により開催され、やはりNASA TVで放送される予定です。 この次のステータスレポートは12月21日(同12月21日又は22日)、あるいは状況によっては早目に発行する予定です。
出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2000/iss00-61.html
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