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アメリカが資金を出し、ロシアによって製作されたザーリャ(ロシア語の「日の出」を意味する)は、ロシアで製作され、打上げられはしますが、ISSのアメリカのコンポーネントです。このモジュールは、モスクワにあるフルニチェフ国立研究生産宇宙センター(KhSC)が、ボーイング社の契約下でNASAのために製造したものです。ザーリャが軌道に投入された約1週間後の1998年12月4日に打ち上げられたスペースシャトル・エンデバー号がランデブーして、アメリカが製作したユニティ(ノード1)と呼ばれる接続用のモジュールを結合しました。ザーリャ・モジュールは、ISSの3番目の構成要素であり、ロシアが製造するサービス・モジュールと呼ばれるクルーが生活したり、初期段階のISSの中心となるモジュールが結合するまで、受動的なモジュールであるノード1に対して、姿勢制御、通信、電力等の機能を提供します。サービス・モジュールは、ザーリャの多くの機能を強化したり、その機能に代わって使用される予定です。ISSの組立シーケンスの後期段階では、ザーリャ・モジュールは、主に荷物の保管機能、あるいは、推進剤の保管タン クとして使用されることになります。 ザーリャ・モジュールは、全長41.2ft(約12.5m)、一番大きな所で幅13.5ft(約4.1m)です。運用寿命は、15年以上。太陽電池パドルと、6個のニッケル・カドミウム電池により平均で3kwの電力を供給できます。ロシアのクルス(kurs)システムを使用することにより、ザーリャは、軌道上でサービス・モジュールと自動的に、またリモート制御によりランデブー、ドッキングすることができます。側面に設置されたドッキング・ポートには、ロシアのソユーズ宇宙船および無人のプログレス補給船がドッキングすることができます。2枚の太陽電池パドルはそれぞれ、長さ35ft(約10.7m)、幅11ft(約3.3m)あります。モジュールの16個の燃料タンクには、合計で6t以上の推進剤を保管することができます。このモジュールの姿勢制御システムとしては、24基の大型スラスターと12基の小型スラスターを使用します。2基の大型のエンジンは、リブースト(軌道高度の引き上げ)時や大きな軌道変更時に使用されます。
ザーリャ・モジュールの製造は、1994年12月にKhSCで開始されました。そして、1998年1月に射点での打上げ準備のため、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地へ輸送されました。3段式のプロトンロケット(訳補足:とザーリャの推進システム)により、このモジュールは高度約402kmの軌道に投入されました。その後このモジュールは、宇宙飛行士ナンシー・カリーが操作するエンデバー号(STS-88ミッション)のロボットアームを使って1998年12月6日に把持されました。ザーリャは、そのままユニティに結合され、ISSの軌道上での建設が始まりました。 ザーリャ(日の出)という名前は、その打上げが国際協力による宇宙探検の新時代の始まりを意味しているところから来ています。 出典:NASA Fact Sheet Library THE ZARYA CONTROL MODULE: The First International Space Station Component to Launch(1999年 1月)より
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