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大西宇宙飛行士が帰国記者会見を開催(2016年12月28日)
12月27日、国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在から帰還した大西宇宙飛行士がリハビリテーションを終え帰国し、東京都内にて帰国記者会見を行ないました。
冒頭、JAXA有人宇宙技術部門長の浜崎敬理事から、「大西宇宙飛行士はISS長期滞在中、「きぼう」ならではのユニークな機能を使った様々な実験をこなし、非常に多くの成果を挙げた。この成功は大西宇宙飛行士、地上の実験研究者、運用管制員、そして様々なサポート要員が力を合わせ、チームワークを発揮できた結果である。」との挨拶がありました。
続いて、大西宇宙飛行士は、映像を使いながら長期滞在ミッションの報告を行いました。
大西宇宙飛行士は、自身の搭乗したソユーズMS-01宇宙船(47S)の打上げからISSに到着するまでの様子、小動物飼育ミッション、高品質タンパク質結晶生成実験、静電浮遊炉(ELF)や液滴群燃焼実験供試体(GCEM)などの利用ミッションに関する作業、更に米国のシグナス補給船のキャプチャなど、長期滞在中の様々な活動を報告しました。
また、大西宇宙飛行士の帰還後のリハビリは、初めてその一部を日本で行い、運動については、ISS長期滞在中から帰還後のリハビリまで、一貫して日本の専門家が立案したプログラムに沿って行ったことも今回のミッションの大きな特徴の一つであると語りました。
その後の質疑応答では、報道関係者の質問に丁寧に答えました。
特に印象に残ったミッションについて問われた大西宇宙飛行士は、小動物飼育ミッションと静電浮遊炉の2つを挙げました。
小動物飼育については、世界初の要素が詰まったミッションで苦労もあったが、地上の運用管制チーム、獣医師を含むマウス健康管理チーム、実験装置の開発チームと一丸となって臨機応変に対処し、12匹のマウス全ての生存帰還に成功したことを報告しました。今回の飼育ミッションの成功により、下肢筋萎縮・骨量減少など、高齢者の寝たきりによる身体の機能低下の原因解明など加齢研究への貢献が期待されます。
静電浮遊炉については、材料の小さなサンプルを空中に浮かせ、レーザーを照射して作り出した高温状態の物質の特性データを取得する実験であることを説明しました。地上では浮かせることが困難な材料の高精度なデータは、宇宙でしか取得できず、それを実現する技術と実験装置を日本は有していること、その初期検証作業に携われたことを誇りに思っていると述べました。
最後に、大西宇宙飛行士は、大きな仕事を成し遂げた達成感と満足感があり、とても充実した一年間だったと振り返りました。今回の長期滞在での経験をシステム機器や実験装置の開発などへ活かしていきたいと抱負を述べ、来年10月頃からISS長期滞在が予定されている金井宇宙飛行士のミッションの成功にも貢献したいと語りました。
大西宇宙飛行士は、今後、日本やロシアで技術報告(デブリーフィング)を行うほか、2月以降にISS長期滞在で得た体験や成果を一般の方々に報告するミッション報告会を東京都内や日本の各地で行う予定です。
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