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第3回 6/21(水):新世代宇宙飛行士が語るISS・きぼうでの生活【~こんな時はどうする?対応編~】
タスク中、急にトイレに行きたくなったらどうするの?
大西飛行士:もちろん行きますよ(;’∀’)でも、グローブボックスに手を入れて作業している時や、どうしてもすぐにその場を離れられないタスクもあります。そういうタスクを行うときは必ず事前にトイレに行きますね。重力のある地上と違って「たまってる」感覚が宇宙では希薄なので、もよおさなくてもある程度時間が経ったらトイレに行くのがコツです。
金井飛行士:トイレ休憩はオッケーなんですね。体が「もよおす」感覚がないのは不思議ですね。例えば胃袋の場合は、いっぱいご飯を食べても満腹感は出ないんでしょうか?
油井飛行士:どちらかというと、逆でした。少ししか食べていないのに、満腹感があるのです。地上の医師からは、もっと食べるように言われたのですが、なかなか十分な量を食べるのは難しかったです。もしかしたら、無重力なので食べ物が胃壁に張り付いて、満腹感をすぐに感じてしまうのかもしれません。
タスク中の飲み物やおやつはOK?
大西飛行士:OKです。私は長時間のタスクを行うときは必ず飲み物のパックを自分の横に置いておいて、いつでも飲めるようにしてました。おやつは食べかすが飛び散る可能性があるので、ダイニングルームで食べるようにしてましたね。
金井飛行士:飛び散った食べかすが、重要な機器のスキ間に入って故障の原因になったら大変ですからね。朝から夕方までの仕事ですから、「おやつ休憩」は必要ですよね。お勧めの宇宙でのおやつは何ですか?
油井飛行士:こればかりは、それぞれの好みだと思います。私は、チョコレートが大好きなのですが、宇宙でも好みは変わらずチョコレートをたくさん食べました。
ISSで欠かせない運動。運動すると汗をかくけどその服はどうするの?
大西飛行士:運動中は汗をたくさんかきます。汗で濡れた服は、換気のよいところに干しておきます。そうすると数時間でからっからに乾いて、汗の水分は蒸発して空調システム内で凝縮されて水に戻り、水再生装置に送られて浄化されます。きれいになった水は飲料水として再び私たちの体に戻ってくることになります。運動用のシャツは1週間同じものを着続けるので、抗菌仕様のものがほとんどですね。
金井飛行士:汗も水再生されるんですね。汗を飲み水にするなんて、何だか気持ち悪い感じもしますが、そもそも我々が生活する地球上の水だって、グルグルと巡っているワケで、宇宙ステーションは地球のミニチュアですね。
現在は使い捨ての服ですが、水をほとんど使わないで済む(またはほとんど再生できる)ようなスペシャルな洗濯機が開発されれば、もっと良いのに!
油井飛行士:そうですね。宇宙で使用できる洗濯機が出来たら、画期的ですね。
滞在中にもし病気にかかったらどうするの?
大西飛行士:もともと健康な人が多いですし、ISS内は温度などの環境が常に一定にコントロールされているので、あまり病気になったという話は聞かないです。打ち上げ前の宇宙飛行士は周囲から隔離されるので、ウィルスなども持ち込まれませんし・・・
でもそれでも病気になったら、地上で私たちの健康状態をモニターしてくれている専属医師にまずは相談でしょうね。常備薬もありますし、簡単な医療器具もありますよ。
金井さんのような医師の方がクルーにいると、それはそれは心強いと思います!
金井飛行士:宇宙飛行士は厳しい健康診断をパスしているので、ほとんど病気の心配はありませんが、今後、民間宇宙船による宇宙旅行が始まると、宇宙で体調が悪くなった場合の対応は重要になってきますね。
いかがでしたでしょうか?
次回は6/28(水)更新 「金井宇宙飛行士が語る ミッションアサイン後の生活・訓練をふり返って」です。
ミッションアサインされた時の気持ちは?訓練を行っていく中で環境に戸惑うことはあった?などミッションアサイン後の生活・訓練に対する疑問・質問に金井飛行士がお答えします。
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