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第2回 6/14(水):新世代宇宙飛行士が語るISS・きぼうでの生活【~衣住食編②~】
1日の流れは地上に居るときと同じように感じる?
大西飛行士:同じですねー。日中は忙しいのであっという間に1日終わります。地上と違って、通勤や移動にかかる時間がないのはいいですね。昼と夜が1日に16回ずつ訪れるので、それはちょっと変な感じです。でもすぐ慣れます。
金井飛行士:通勤時間ゼロはいいですねぇ!でも逆に、仕事とプライベートとの区別があいまいになってしまいそうです。仕事がオフの時間は、ちゃんと頭を切り替えることができましたか?
油井飛行士:そうですね。自分で意識してオフの時間を作るようにしていました。例えば、土日のうち、一日は仕事のことを考えずに休むようにしていました。気を付けなければいけないのは、寝るべき時間に明るい窓の外を見てしまうと、眠れなくなって、時差ぼけの様な症状になってしまう事です。日本が昼の時間は、ISSで使用している世界標準時で夜になるので、日本の写真を撮る時などは注意してください。
宇宙での1日のスケジュールは?
大西飛行士:多少個人差はありますが、標準的に言うと毎朝6時に起床、それから朝ごはん食べて身支度、7時半ごろから仕事開始、どこかで1時間お昼休み、夜7時頃まで仕事して、夕食を食べて9時ごろ就寝(私はそんなに早く寝ませんが)。
運動の時間が毎日2時間半あることや、朝の作業準備の時間、管制チームとの打ち合わせの時間などを除くと実労働時間は6時間半くらいです。
金井飛行士:毎日運動もできて、残業もなく決まった時間に仕事が終わるという点では、ホワイトな職場ですね。週末はどうやって過ごしているのでしょうか?また、日本・アメリカ・ロシアの祝日の扱いはどうなんでしょう?
油井飛行士:週末は、土曜日の掃除と毎日の運動の時間以外は自由に過ごしています。映画などを見ている人もいますが、私の場合は、もっぱら写真撮影でした。宇宙にいる時しか出来ない事をしたかったんです。祝日ですが、ロシア、アメリカ、日本の祝日すべてでお休みできると最高なのですが、そんなに甘くありません。金井さんも、アメリカの飛行士も、祝日を1日ずつ選び、そのお休みの時は、日米の飛行士はお休みです。ロシアは、ロシアで休日を選びますが、そのお休みはロシアの飛行士のみお休みです。
無重力ってどんな感じ?無重力での生活に慣れるまでどのぐらいかかる?
大西飛行士:楽しいっす(^▽^)地上ではできない動きができるので。慣れるまでは結構時間かかりますよ。私の場合は、気持ち悪くなくなるまで1週間くらいかかりましたね。そのあとも、本当に無重力に慣れたなって思えるまでは2か月くらいかかったでしょうか。
金井飛行士:気持ち悪いのは嫌だなぁ・・・。宇宙ステーションに到着したら、早く無重力での体の動かし方をマスターして、間違っても、船長に蹴りを喰らわせることのないように気をつけたいと思います。
年齢・性別・体格などの個人差があると思うが、船内の設備は誰に合わせて作られている?
大西飛行士:うーん。どうなんでしょう??基本的にはユニセックスですし、誰でも使えるようになっています。何かが大きすぎるとか、小さすぎると思ったことはないですね!
金井飛行士:NASAの女性飛行士でもずいぶん小柄な人がいますが、体が小さくて困るという話は聞かないですよね。むしろ、狭い場所でも苦労なく入り込んで作業したり、細かな部品を上手に扱ったり、羨ましい気もしますね。
長期間共同生活が続くけど、一人になってリラックスできる場所はある?
大西飛行士:一応電話ボックスくらいの個室スペースはあります(;’∀’)完全に1人になれる場所はそこくらいです。でも宇宙ステーションは広いので、「きぼう」の船内保管庫はその一番端っこにあって歌を歌ってもまず他の人には聞こえないですね。
金井飛行士:「きぼう船内保管庫は、大西さんの独りカラオケ練習場・・・っと」(メモメモ)。あれだけ大きな宇宙ステーションに、たった6人で長い間住むんですから、逆に寂しくならないか心配です。
油井宇宙飛行士:寂しいと思ったことは、一度もないですね。ステーションに6人というよりは、地上の多くの仲間と一緒に仕事をしている一体感があって、いつも見守られている安心感があります。でも、ある日、宇宙食のパッケージを袋から箱の中に移す時に、誤ってモジュール中にばら撒いてしまった事がありました。慌てて集めている様子を地上の管制官たちにすべて見られて、恥ずかしかったこともあります(笑)。
いかがでしたでしょうか?
次回は6/21(水)更新 ISS・きぼうでの生活【~こんな時はどうする?対応編~】です。
もしもタスク中にトイレに行きたくなったら? 汗をかいた服はどうするの?など疑問にお答えします!
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