3月からISSに5ヶ月以上滞在していた第2次長期滞在クルーが第3次長期滞在クルーと交代し、ディスカバリー号で地球に帰還しました。
多目的補給モジュール「レオナルド」で3トンに及ぶ機材、第3次長期滞在クルーの食料や補給品などを運び、ISSに搬入しました。また、科学実験装置が追加され、ISS本来の目的である研究活動が一段と充実することになりました。
船外活動を2回実施し、次のような作業をおこないました。 - 初期アンモニア充填装置(EAS)のP6トラスへの取り付け
- 予備のヒータ電力ケーブルの取り付け
飛行の概略は以下のとおりです。(明示のない時間は米国中部夏時間です。) 詳細はステータスレポートをご覧下さい。
打上げと帰還日時
打上げ日時 |
2001年 8月10日午後 5時10分(米国東部夏時間)(打上げ地時刻)
(日本時間 8月11日午前 6時10分) |
帰還日時 |
2001年 8月22日午後 2時23分(米国東部夏時間)(帰還地時刻)
(日本時間 8月23日午前 3時23分) |
ミッション期間 |
11日21時間13分 |
打上げはケネディ宇宙センターの悪天候のため、当初の予定から1日延期されました。また帰還予定地であるケネディ宇宙センターでの突然の降雨のため、第1回目の着陸機会を断念し、2回目の機会に着陸しました。
ISSとのドッキングおよびアンドッキング日時
ドッキング日時 |
8月12日午後 1時42分(日本時間 8月13日 午前 3時42分) |
アンドッキング日時 |
8月20日午前 9時52分(日本時間 8月20日 午後11時52分) |
ドッキング期間 |
7日20時間10分 |
船外活動(EVA)
この飛行では計2回の船外活動が行われました。ISS組立としてはISSから実施したものも含め、通算26回の船外活動を実施したことになります。
第1回船外活動(飛行7日目) |
開始時刻 |
8月16日午前 8時58分(日本時間 8月16日午後10時58分) |
終了時刻 |
8月16日午後 3時14分(日本時間 8月17日午前 5時14分) |
作業時間 |
6時間16分 |
作業者 |
ダニエル・バリー、パトリック・フォレスター |
主要作業内容 |
1.初期アンモニア充填装置(EAS:Early Ammonia
Servicer)をP6トラスに取り付けました。先ず、ディスカバリー号の貨物室にEASを固定していたボルトを取り外しました。次に、ディスカバリー号のロボットアームで 作業者も一緒にP6トラスの取り付け場所まで移動し、EASをボルトで固定しました。さらにEASにヒータ電力を供給するケーブルをZ1トラスとの間に敷設しました。
2.MISSEと呼ばれる実装置2つを、エアロック「クエスト」に取り付けました。(それぞれのMISSEには宇宙空間にさらして劣化の状態を調査する750個の材料サンプルが取り付けてあります。)
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第2回船外活動(飛行9日目) |
開始時刻 |
8月18日午前 8時42分(日本時間 8月18日午後10時42分) |
終了時刻 |
8月18日午後 2時11分(日本時間 8月19日午前 4時11分) |
作業時間 |
5時間29分 |
作業者 |
ダニエル・バリー、パトリック・フォレスター |
主要作業内容 |
1.来年S0トラスを取り付ける際にS0トラスにヒータ電力を供給する必要が生じたときに備えて、米国の実験棟「デスティニー」の両側面に電力ケーブルを敷設しました。先ず、ハンドレールを右舷側面に1列に6個、左舷側面に同様に5個取り付けておき、このハンドレールに沿って電力ケーブルを取り付けました。
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船内活動
5ヶ月以上ISSに滞在していた第2次長期滞在クルーと、今回交代した第3次長期滞在クルー、それにディスカバリー号クルーの、計10名宇宙飛行士は、船内で次のような作業を行いました。
- 第2次長期滞在クルーと第3次長期滞在クルーの引継ぎ作業
- 多目的補給モジュール「レオナルド」とディスカバリー号からISSへの3トン以上の機材や補給品の搬入
- 船外活動クルーを移動させたり作業用の足場を提供したりするためのスペースシャトルのロボットアームの操作
- 実験装置などの実験モジュール「デスティニー」への取り付け
- 不具合などの対応
- ISSで不要となった物品の多目的補給モジュール「レオナルド」への搬入
- TVとのインタビューなどの広報活動
- リブースト(軌道高度を上昇させる軌道制御)
リブーストとは軌道高度を上昇させるための軌道制御のことです。ISSは、空気抵抗で高度が日々下がります。そこで、その次の便が到着するまでの高度低下を見込んで、シャトルをISSから分離する前に、スペースシャトルのスラスタによりISSの軌道高度を上昇させる軌道制御(リブースト)を実施しています。STS-105ではリブーストを次のように実施しました。
実施日(米国中部夏時間) | 上昇高度 |
飛行 5日目(8月14日) | 2マイル(約3.2km) | 飛行
8日目(8月17日) | 2.2マイル(約3.5km) | STS-105は、期間中に特に不具合が発生することもなく 、ミッションを終了することができました。 |