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若田宇宙飛行士訓練レポート 第3回

NBLがあるSonny Carter Training Facility
NBL外観(右上の白い建物がコントロール室)
コントロール室の様子
宇宙服を着用して水中での訓練準備をする若田宇宙飛行士
水中での訓練の様子
無重量環境訓練施設(NBL:Neutral Buoyancy Laboratory)での訓練

 STS-92で、若田宇宙飛行士はたくさんの重要な任務があり、特にロボットアーム操作の主担当になっているので、多くの時間をロボットアームの訓練に費やしていることは前回の訓練レポートでお伝えしました。

 若田宇宙飛行士はSTS-92では、PMA-3(Pressurized Mating Adapter-3)Z1トラスという構成パーツをロボットアームで締結しますが、ケーブルの接続やボルトの締結作業などロボットアームだけではできない細かい作業が残ります。そういった細かい作業は宇宙飛行士がスペースシャトルの外に出て行うことになり(船外活動といいます。)、その作業をロボットアームで支援することも若田宇宙飛行士の大切な仕事の1つになっています。STS-92では4回の船外活動が予定されています。若田宇宙飛行士には、このようにミッション中船外活動作業者を支援するという重要な任務もあるため、船外活動作業者との共同訓練が必要になります。

 船外活動訓練は、主に米国NASAジョンソン宇宙センターにある無重量環境訓練施設(NBL:Neutral Buoyancy Laboratory)という訓練施設で行われます。NBLは縦60m×横30m×深さ12mの巨大なプールで、水中にスペースシャトルのペイロードベイ(貨物室)や国際宇宙ステーションの構成要素のモックアップ(実物大の模型)を丸ごと沈め、宇宙飛行士が無重量を模擬した環境で訓練をしたり、軌道上での手順の検証をしたりすることを目的とする訓練設備です。STS-92で若田宇宙飛行士が操作するSRMS(Space Shuttle Remote Manipulator System)とよばれるロボットアームもプールの中に沈めてあり、これは別室のコントロール室から実機と同様に操作ができ実機と同様に動作します。

 先日はNBLで船外活動作業者との共同訓練が行われ、船外活動手順の開発や検討を行いました。
 STS-92での4回にわたる船外活動は、船外活動作業者とロボットアーム操縦者との間で綿密に練られた分単位の細かい手順が必要とされています。若田宇宙飛行士は本来ロボットアーム操縦を行いますが、この日は船外活動者作業者と同様に船外活動服を着用し、実際に水に潜って手順の検証や確認を行いました。 もちろん船外活動作業者もコントロール室でロボットアームの操作を行うこともあります。このように若田さんをはじめとした宇宙飛行士たちは、お互いの仕事を熟知し合うことによって、スキルはもちろん細かい手順の精度の向上につなげていくのです。


最終更新日:2000年 5月 25日

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