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STS-92 NASAステータスレポート#07 日本の若田宇宙飛行士はシャトルの操縦席から、巧みにディスカバリー号のロボットアームを操って、シャトルのペイロードベイ(貨物室)からZ1トラスと呼ばれる構造物を取出し、ISSのユニティに取付けました。この取付け作業は米国が開発した結合システムを初めて使用して実施するもので、装置は問題なく作動しました。今後のISSの組立作業においても、同じような結合システムが100回以上使用される予定です。宇宙飛行士のロペズ-アレグリアがユニティの結合部となるハッチの窓から外を見てZ1トラスの位置決め状況を若田宇宙飛行士に伝え、作業を支援しました。 本日の作業開始後間もなく、電源回路のショートが発生し、若田宇宙飛行士が使用する予定だった一部の機器の電源が使えなくなったため、結合は予定より約2時間遅れで完了しました。このショートにより3つの機器への電源が断たれました。影響を受けたのは、データや指令信号をシャトルからISSに伝える装置(OIU)、ロボットアーム操作時に、精密な位置決め情報を提供するためのコンピュータ化された視覚システム(SVS)、Z1トラスの移動時の映像を撮影し、取付け作業を支援するためにペイロードベイの底に上向きに取付けられたテレビカメラなどです。 バックアップの計画は非常にうまくいきました。ショートした電気ケーブルは電源を落しておくことにしましたが、今後のミッション活動には影響はありません。若田宇宙飛行士はロシア南部に240マイル(約386km)上空を飛行中の、同10月14日午後1時20分(同10月15日午前3時20分)にZ1トラスをISSに取付けました。 午前中のトラブル対処のために計画よりも作業が遅れたため、フライトコントローラはユニティからザーリャへの機器の搬入を、ミッションの9日目に計画されているISSへの次の入室まで、延期することにしました。ユニティの中ではパイロットのパメラ・アン・メルロイとジェフ・ワイゾフが、今回Z1トラスが取付けられた部分のハッチを開き、Z1トラスの与圧されたドームの中で、Z1トラスとISS間のアース(接地ケーブル)の接続を行いました。その後クルーはISSから退室し、同10月14日午後5時57分(同10月15日午前7時57分)にロペス・アレグリアと船長のブライアン・ダフィーが、ISS側のハッチを閉じました。 ダフィー船長とパイロットのメルロイは、同10月15日午前9時32分(同10月15日午後11時32分)にリロイ・チャオとウイリアム・マッカーサが開始する予定の船外活動の準備として、ディスカバリー号の船室の気圧を下げました。海面上の気圧14.7psi(1気圧)から約10.2psi(約0.7気圧)まで下げるのは、減圧症を防ぐために船外活動クルーの体内から窒素ガスを取除くための手順の一部です。リロイ・チャオとウイリアム・マッカーサは残りの2時間を使って、シャトルのミッドデッキとエアロックで、明日の船外活動で使用する工具の準備をしました。このミッションではISSを組み立てる4回の船外活動が計画されていますが、最初の1回目では、ふたりは新しく取り付けられたZ1トラスとユニティの間に電気ケーブルとコンピュータデータケーブルを敷設し、Z1トラスのふたつの通信アンテナを展開する予定です。 クルーは同10月14日午後9時17分(同10月15日午前11時17分)に就寝し、同10月15日午前5時17分(同10月15日午後7時17分)に起床して、6時間半な作業が予定されている船外活動を開始する予定です。この次のステータスレポートは同10月15日午前6時(同10月15日午後10時)に発行する予定です。 出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/sts92/STS-92-07.html
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