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ミッション結果の要約

飛行目的
 STS-106ミッション(2A.2bフライト)は、現在地球を周回している国際宇宙ステーション(ISS)組立のための6回目の飛行で、スペースシャトルによるものとしては第4回目のミッションになります。このミッションの目的は、2000年7月に打ち上げられてISSと結合したズヴェズダモジュールをISSと電気的に接続するために、9本のケーブルを船外活動により接続したり、ズヴェズダやザーリャ内のバッテリを交換するなどの作業を実施し、将来の滞在クルーが使用する品物を含む2.5トン以上もの物資をスペースシャトルおよびプログレス輸送船から搬入することです。


飛行概略
 飛行の概略は以下のとおりです。詳細はステータスレポートをご覧下さい。(以下に示す時刻は米国中部標準時間です。)
(1)打上げと帰還
打上 2000年9月 8日午前7時46分(日本時間9月 8日午後9時45分)
帰還2000年9月20日午前2時56分(日本時間9月20日午後4時56分)
総飛行時間 11日19時間10分
(2)ISSとのドッキングとドッキング解除
ドッキング9月10日午前0時51分(日本時間9月10日午後2時51分)
ドッキング解除9月17日午後10時46分(日本時間9月18日午後0時46分)
ドッキング期間7日21時間55分
(3)船外活動
開始9月10日午後11時47分(日本時間9月11日午後1時47分)
終了9月11日午前 6時 1分(日本時間9月11日午後8時 1分)
総作業時間6時間14分
作業者エド・ルー、ユーリ・マレンチェンコ
作業内容以下の作業を行いました。
  1. 電力ケーブル4本を敷設(米国の太陽電池からの送電用)
  2. 画像・データ伝送用ケーブル4本を敷設
  3. 光ファイバーケーブル1本を敷設(船外活動時のロシアの宇宙服からのデータをズヴェズダから米国側へ伝送する。)
  4. 磁力計の取付け(ISSの航行システム用予備姿勢センサ)

 この船外活動は、テザー(命綱)を使ったものとしては、スペースシャトルからの距離34mという、これまでで最も遠く離れたものとなりました。

(4)ISS内での船内活動
開始9月11日午後9時40分(日本時間9月12日午前11時40分)
終了9月17日午前7時00分(日本時間9月17日午後 9時00分)
作業者全クルー
作業内容 以下の作業を行いました。(代表的な作業を示します。)
  1. ズヴェズダへの換気装置の設置
  2. ズヴェズダ内の打上げ時用固定ボルトの取外し
  3. ズヴェズダ内への3基のバッテリの設置
  4. ズヴェズダ内にソユーズおよびプログレス輸送船用の充電設備を設置
  5. ズヴェズダ内でロシアの船外活動用のオーラン宇宙服2着を取出して所定の場所に収納
  6. ズヴェズダ内にトイレの汚物タンクやホースを設置
  7. ズヴェズダ内に電力変換器を設置(米国の太陽電池からの電力を変換する。)
  8. ズヴェズダ内に酸素発生装置エレクトロンの部品を取付け
  9. ズヴェズダ内に運動用設備の振動防止機構付きトレッドミルを設置
  10. ザーリャ内の手動ドッキングシステムの取外し
  11. ザーリャ内の2基のバッテリを交換
  12. ユニティの所定の位置にSTS-101のとき取外しておいた共通結合機構(CBM)の制御装置を再設置(5Aフライトに備える作業)
  13. アトランティスとプログレス輸送船からの、合計約2.5トンにおよぶ機材や補給品の搬入、整理、収納(飲料水、食料、事務用品、軌道上環境維持用品、真空掃除機、コンピュータ、モニタ、食品加熱装置、アマチュア無線機器など)
  14. 梱包資材などの廃棄物をプログレス輸送船に搭載し、無人でドッキングを解除できるようにハッチを閉鎖。(後日大気圏に突入させ焼却の予定)
  15. 交換したバッテリなどの持帰り品、約343kgをアトランティス号に搭載
(5)リブースト
 リブーストとは軌道高度を上昇させるための軌道制御のことです。ISSは、空気抵抗で高度が日々下がるので、この次の便が到着するまでの高度低下を見込んでISSの軌道高度を予め上昇させておきます。ドッキングした状態でシャトルの軌道姿勢制御用スラスタをパルス状に噴射します。今回のミッションでは約1時間に36回づつ噴射するリブーストを計4回実施しました。

 
実施時期(米国時間)
平均軌道高度の上昇分(km)
軌道高度(km)
1回目9月11午前6時過ぎ
2回目9月14日午前中
7.0
380×362
3回目9月15日午前中
5.6
381×368
4回目9月17日午前中
5.6
388×375
合計
22.5


実施結果
 船外活動で9本のケーブルを取付けたことにより、ズヴェズダは電気的な結合も完了し、完全に国際宇宙ステーション(ISS)の一部になったといえます。また合計約2.5トンもの機器や補給品も搬入され、11月から滞在クルーが居住するための準備も整いました。
 次回10月上旬の若田宇宙飛行士の搭乗するSTS-92(3Aフライト)では、ISSの姿勢制御用の機器や通信設備などが取付けられ、その次の2Rフライトに搭乗する3人の宇宙飛行士は、ISSへの4ヶ月の滞在を開始することになります。


最終更新日:2002年 1月 11日

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