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ペイロード


搭載される主なペイロード

  • 2A.2aのペイロードベイ(貨物室)イメージ

    ICC
    スペースハブ・ダブルモジュール
     スペースハブは、スペースシャトルのペイロードベイ(貨物室)に搭載する与圧モジュールであり、飛行の目的によって実験装置を搭載して軌道上で実験を行ったり、宇宙ステーションへの物資の運搬のための荷物を搭載することができます。スペースハブモジュールの種類としては、基本となるサイズのシングルモジュールとこれを2つつなげた2倍の長さを持つダブルモジュールがあります。
     今回の2A.2aフライトでは、ダブルモジュールを物資の運搬用コンテナとして使用し、国際宇宙ステーション(ISS)への補給物資(不具合を起こしているバッテリなどの交換用の部品、歩行器(トレッドミル)など)等が搭載されています。

  • ICC(Integrated Cargo Carrier) 曝露機器の輸送用キャリア
     ICCは、スペースハブ社が開発した、機器の輸送用キャリアで、スペースハブ・モジュールをペイロードベイ(貨物室)に設置した時にできる無駄な空間(トンネル・アダプターの上の空間)を有効に活用するために搭載されるものです。ICCは、構造を工夫して軽量化を実現したプレートで、表と裏の両面に荷物を取り付けることができます。オービターから電力を供給してもらったり、放熱をオービターに頼ったり、データを授受する等のインタフェースはありません。
     STS-101では、ICCには以下の装置を搭載してISSへ運搬します。



    ペイロードベイの状態
    • ストレラ(STRELA)(ロシアの船外活動(EVA)クレーンの伸縮式メインブーム部)
      EVAにより、1999年5月に2A.1フライトで運んでおいた支柱と組み合わせてクレーンを完成させる予定です。このクレーンは、ミールで使われていたものの改良型で、長さ約14mまで伸ばすことができます。宇宙飛行士が船外活動で物を動かすときに使用します。また、EVAクルーを乗せて手動操作で移動させることもできます。9A.1フライトで、科学電力プラットフォーム(SPP: Science Power Platform)の太陽電池パドル取付の作業などに使用される予定です。

    • SHOSS(Spacehab Oceaneering Space System)box
      SHOSSは小型の機器運搬用の箱(最大約180kg収納可能)で、STS-101ではEVA工具や補給品等を収納しています。

    • SOAR(SIGI Orbital Attitude Readiness)実験装置
      SOARは、ISSの軌道位置や姿勢を決定する際の主装置として設計されており、クルーの緊急帰還機(CRV)でも使われる予定です。STS-101ではSOARは開発試験ミッション(DTO 700-21)として試験データを取得します。


その他の実験ペイロード

STS-101にはISS組立目的以外にも次のようなペイロードを搭載します。
  • 発芽生長実験予備実験装置 (BioTube Precursor Experiment)
     発芽生長実験予備実験装置は、ミッドデッキで行われる実験です。この実験は微小重力環境下での植物の種からの生長を調べるもので、STS-107で実施される予定ですが、今回はその際使用する実験装置の評価を行います。

  • 教育用宇宙実験装置 MARS (Mission to America's Remarkable Schools)
     MARSは、NASA KSCが支援するライフサイエンス系の実験ペイロードで、米国の学校の実験装置を20個搭載します。MARSはシャトルから電力の供給を受けたり、クルーに支援してもらったりすることのない(パッシブな)実験で、ゲッタウエイ・スペシャル(GAS)容器に収納して、ペイロードベイに搭載されます。

  • 教育用宇宙実験装置 SEM-6 (Space Experiment Module 6)
     SEM-6は、10個のパッシブな装置をGAS容器に収納したペイロードで、ペイロードベイに搭載されます。SEMプログラムは幼稚園から大学レベルの学生達に宇宙実験の機会を提供するプログラムで、1995年から行われています。SEM-6は4回目の飛行で、米国とアルゼンチンの実験装置が搭載されています。

  • ワイヤレスデータ測定装置
    (HTD 1403 Micro WIS HEDS技術デモンストレーション)
     HTD 1403は、軌道上でMicro WIS(Wireless Instrumentation System)の機能を確認するものです。Micro WISは自動化された小型のセンサーで、センサーと送信機を組み合わせたタイプと、センサーと記録装置を組み合わせたタイプの2種類があります。現在、シャトルのキャビン内(AFD)の温度センサーは1個しかありません。従来の方式でセンサーを増やすと、重量やインテグレーションのコストがかかり、改造は容易ではありませんが、このMicro WISセンサーを使うことにより、リアルタイムで簡単にいろいろな場所の温度データを取得することができるようになります。このような温度データを初期段階のISS内で取得できれば重要な露点温度の管理などが簡単にできるようになります。直径約2.5cmのMicro WISに内蔵された電池で5ヶ月間作動し、送信機内蔵タイプであれば、ラップトップコンピュータに測定データを送ることが出来ます。



最終更新日:2000年 4月 20日

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