ミッション内容

ミッション内容

　米国東部夏時間の5月19日に、国際宇宙ステーション（ISS）組立のために、スペースシャトル「アトランティス号」（STS-101）の打上げが行われました。これはISS組立のための4回目の打上げで、約11ヶ月ぶりのISS組立ミッションです。

これまでのISS組立
　1998年11月20日に基本機能モジュール（愛称ザーリャ）が1A/R（ロシアのプロトンロケット）フライトで打ち上げられ、ISSの宇宙での組立が開始されました。翌月12月4日にノード1（愛称ユニティ）が2A（STS-88）フライトで打ち上げられ、ザーリャとユニティを結合しました。そして1999年5月27日に2A.1（STS-96）フライトが実施され、機材や物資が運び込まれました。
　詳細についてはこちらをご覧下さい。
今回のミッション実施の経緯
　当初の予定ではロシアのサービスモジュール（愛称ズヴェズダ）は1999年11月に打ち上げられる予定でしたが、ロシアのプロトンロケットの打上げ失敗等の影響を受けて、その打上げは約8ヶ月遅れることになりました。
　このため、ザーリャの軌道上運用期間が予定よりも長引き、ズヴェズダを打ち上げる前に、ズヴェズダとのドッキングに必要なザーリャ内の一部の機器の寿命が切れることになりました。また、バッテリ等、故障や劣化傾向を示す機器も出ており、ズヴェズダを打上げる前にこれらの機器を交換・修理する必要が生じています。
　（ザーリャは、ズヴェズダとのドッキング後には、ほとんどの機器が停止される予定であるため、他のISSモジュールと比べると電子機器の保証寿命は短く設定されています。）

　そのため、当初はズヴェズダ打上げの1ヶ月後に予定されていた補給艤装飛行2A.2フライトを、2A.2a(STS-101)フライトと2A.2b(STS-106)フライトの2回に分け、次のように実施することにしました。
- 2A.2a（STS-101）フライト：
  ズヴェズダの打上げ前に実施しなければならないザーリャの修理等を行う。
- 2A.2b（STS-106）フライト：
  ズヴェズダ打上げ後にズヴェズダ内に入室して内部の装置の点検・起動等を行い、この秋に予定されている3A（STS-92）フライトや最初の滞在クルーの到着に備えるための作業を行う。
ミッション内容
　今回実施した2A.2aフライトでは、不具合の発生しているザーリャ内の機器交換作業や、ISSへ荷物を搬入する等の作業を行いました。米国の補給品約1,220kg以上、ロシアの補給品約1,000kgを搬入し、この夏に予定されているズヴェズダとの結合に向け最終準備を行いました。
　また、この2A.2aフライトでは、ロシアのクレーンの組立、アンテナの交換、ハンドレール（手すり）の取り付けなどのために、船外活動（EVA）を1回実施しました。

STS-101の飛行結果概要

項　目

実　績

打上げ日時

2000年5月19日午前6時11分（米国東部夏時間）
2000年5月19日午後7時11分（日本時間）
ロンチウインドウ5分

射　場

米国フロリダ州ケネディ宇宙センター（KSC）39A発射台

フライト期間

9日20時間9分

搭乗員

７名

オービター

アトランティス号（21回目の飛行）

軌道高度

投入高度	：	約296km
ISSとのランデブ高度	：	約320km

軌道傾斜角

51.6度

帰還日時

2000年5月29日午前2時20分（米国東部夏時間）
2000年5月29日午後3時20分（日本時間）

帰還場所

(第一着陸地)米国フロリダ州ケネディ宇宙センター（KSC）
(代替着陸地)米国カリフォルニア州ドライデン飛行研究センター（DFRC）

搭載
ペイロード

ISS補給

スペースハブ・ダブルモジュール（与圧部補給品）
ICC(Integrated Cargo Carrier) (曝露部補給品)

ISS以外のペイロード

発芽生長実験予備実験装置（BioTube Precursor Experiment）
教育用宇宙実験装置（MARS）
教育用宇宙実験装置（SEM-6）
ワイヤレスデータ測定装置（HTD 1403 Micro WIS HEDS技術デモンストレーション）
その他、タンパク質結晶成長実験　等

STS-101(2A.2a)ミッションの主要イベント
飛行日	主要イベント
１	打上げ
３	ISSとのドッキング
４	船外活動
５	ISSへの入室、機器の交換修理、補給品の運搬等
６	機器の交換修理、補給品の運搬等
７	機器の交換修理、補給品の運搬等
８	ISS退室
９	ISSとのドッキング解除、フライアラウンド運用
１１	軌道離脱、着陸

最終更新日：2000年 5月 29日