|
||||||
ノード1の概要ノード1は、与圧された他のモジュールの接合点としての役割をはたすモジュールです。ノード1と両端の与圧結合アダプター(PMA)は、搭乗員や内部を移送する各種の装置の通路としての役割もあります。
ノード1は、6箇所の結合ポートを有しており、軌道上で他の与圧モジュールと結合することができるため、宇宙ステーションの拡張のための基幹部となります。 また、各与圧モジュール間を結合するため、通信、電力、キャビンエアなどのケーブルや配管を結合させる重要な部分になります。 ノード1の全長は18フィート(約5.5m)、直径は15フィート(約4.6m)です。 内部には4つのラックを搭載可能ですが、STS-88での打上げ時には、保管ラック1台のみを搭載して打ち上げられます。残りのラックは、後続のシャトルフライトで運ばれて、設置される予定です。 ノード1の各サブシステムの概要を以下に示します。
(1) 通信及び追跡システム(C&TS)
(2) 構造体
ノードの1次構造体は、アルミニウム製であり、厚さは約1.3cmあります。巨大な構造物であるため、溶接を行って組み立てられています。与圧モジュールは、軌道上では1気圧(14.7psi(Pound square inches))に与圧されますが、溶接後の耐圧性を確認するため、地上で約1.6気圧(24psi)にまで加圧しての耐圧試験を受けています。耐圧試験の後にはヘリウムを使用(分子量が小さいため漏れやすい気体)したリーク試験、X線検査も行われています。内装、外装に使われる2次構造体にもアルミニウムが使用されています。 ノードの外壁に取り付けられている銀色の部分は、アルミ製のデブリ・シールド(M/OD:Meteoroid/Orbital Debris シールド)です。(一方、PMAのデブリ・シールドは黒色です。)M/ODシールドは、軌道上の1cm以下の隕石体及び、小さな軌道上デブリ(宇宙ゴミ)から与圧部(1次構造体)を保護するものです。 デブリーシールドと1次構造体の間には、多層断熱材(MLIブランケット:Multi Layer Insulation )が取り付けられているため、軌道上の厳しい温度環境の変化から与圧環境を保護することができます。 (3) C&DH(Command and Data Handling) Systemノード制御ソフトウエア(NCS)は、フライト5AでU.S.Labが取り付けられ、通信制御系(C&C MDM)が起動するまで、ISSのアメリカ側エレメントの制御を行うものです。NCSは、PMA-1の外壁に取り付けられた2個のMDM(マルチプレクサ/デ・マルチプレクサ)内にインストールされています。クルーは、Early Portable Computer System (EPCS)と呼ぶラップトップコンピュータを使用して、 MDMへのコマンド及びモニタを行います。 (4) 環境制御、生命維持システム:ECLSS(Environment Control and Life Support System)ECLSSは、ノード内の圧力、内部温度、湿度、呼吸する空気のモニタリング及び制御を行います。ECLSSは、以下のようなシステムから構成されます。
(5) 電力系(EPS)4AフライトでP6セグメント(太陽電池パドル)が運ばれてZ1トラスに設置されるまでは、ノード1はFGBから電力が供給されます。 FGBからは28Vdcの電力が供給され、RACU(ロシア-アメリカ間の変圧器)でノード1が使用する120Vdcに変換されます。このFGBからノード1への電力供給用ケーブルの接続作業は船外活動(EVA)で実施されます。 ノード1には4基のリモート電力分配装置(RPDA:Remote Power Distribution Assemblies)が搭載されています。各RPDAは3基のリモート電力制御モジュール(RPCM:Remote Power Controller Module)を搭載しています。RPDAは電気的に制御可能なサーキット・ブレーカーです。 (6)熱制御系(TCS)ノード1の熱制御系は、能動的熱制御系と受動的熱制御系からなります。 受動的熱制御系は、MLI(多層断熱材)ブランケット、ヒートパイプ・ラジエター、壁面ヒーター(ノード1の一次構体の内側には18個の壁面ヒーターがあり、これにより、与圧部の壁が結露するのを防止しています。また、初期入室時の内部温度の低下を抑える役目も果たします。)、温度センサーから構成されています。 ノード1の場合、能動的熱制御系は、内部熱制御系 (ITCS: Internal Thermal Control System)のみです。ITCSは、高温、中温、低温の3つの各冷却水ループにより、熱を発生する各機器に取り付けられたコールド・プレートを介して各装置の冷却を行います。 (7)機構系
ノード1には、5個のアクティブCBM(Common Berthing Mechanism:共通結合機構)(ACBM)と1個のパッシブCBM(PCBM)が装備されています。アクティブ側のCBMには、4個の把持ラッチ、および16個のモータ駆動のボルト、CBM制御装置などを持ち、受動的なPCBMと結合します。 PCBM側にはgask(ガスク)Oシールと呼ばれる3重のOリングが取り付けられており、結合後の気密を保つことができます。 最終更新日:1998年 12月 10日
|