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宇宙ステーション補給機「こうのとり」(H-II Transfer Vehicle: HTV)は、「補給キャリア与圧部」と「補給キャリア非与圧部」という2つの貨物区画、「曝露パレット」、「電気モジュール」、「推進モジュール」から構成されます。
また、「きぼう」日本実験棟には「こうのとり」がISSに接近したときに双方向通信を行うための近傍通信システム(Proximity Communication System: PROX)やアンテナ、反射板(リフレクタ)などが搭載されます。
補給キャリア与圧部は、ISSへの船内補給品(実験ラック、飲料水、衣料など)を搭載します。その内部は1気圧に保たれ、ISSに結合中はクルーが内部に乗り込んで荷降ろしを行います。与圧部には大型の1.27m四方のハッチが装備されており、大型の実験ラックをISSへ輸送できる唯一の宇宙船となっています。補給品を運び出した後は、不要品を搭載します。
補給キャリア非与圧部には、側面の開口部から曝露パレットが収納され、船外物資(船外実験装置など)が搭載されます。大型の船外物資をISSへ柔軟に輸送できるのは「こうのとり」だけになります。
曝露パレットは、船外実験装置やISSのバッテリを輸送するための荷物台です。曝露パレットには大きく「I型」と「多目的曝露パレットIII 型」の2種類があります。
I型:「きぼう」の船外実験装置の運搬用で、船外実験プラットフォームに取り付けられる。船外実験装置を2~3個搭載可能。
III型:ISS共通の船外機器(バッテリなど)や船外実験装置などの組み合わせでも運搬できる仕様になっており、船外実験プラットフォームに取り付けられるタイプとISSのモービル・ベース・システム(Mobile Base System: MBS)に取り付けられるタイプがある。バッテリの場合、6個搭載可能。
電気モジュールは、誘導制御、通信、電力などの電子機器を搭載し、自律的あるいは地上からの指令に従って「こうのとり」の航法、制御を行います。また、「こうのとり」各部への電力供給を行います。
推進モジュールは、4基の推進剤タンクに搭載された推進剤をスラスタに供給し、軌道変更や姿勢制御のための推力を発生します。「こうのとり」には合計32基のスラスタが設置されています。
近傍通信システム(Proximity Communication System: PROX)は、「きぼう」上に配置され、PROX通信アンテナ、PROX GPSアンテナ、PROX通信機器、搭乗員用コマンドパネル(Hardware Command Panel: HCP)で構成されます。PROX通信アンテナ、PROX GPSアンテナとHCP以外の機器は船内実験室内の衛星間通信システム(Inter-orbit Communication System: ICS)ラック内に設置されます。
PROXは、「こうのとり」がISSに接近した際に、PROX通信アンテナを介して無線通信を行います。GPS受信機を搭載しており、ISSの軌道位置・速度情報を「こうのとり」へ提供するとともに、「こうのとり」からのデータを受信し、ISSへ提供します。また、地上からのコマンドを中継し、「こうのとり」へ送信します。
反射板(リフレクタ)は、「きぼう」の下部に設置された再帰反射鏡です。「こうのとり」がISSの下方(地球方向)から接近する際に「こうのとり」のランデブセンサ(Rendezvous Sensor: RVS)から照射されたレーザ光を反射します。
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