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JAXAでは宇宙産業の国際競争力強化に取り組んでおり、競争が激化している商業通信衛星市場において、2020年代に国際競争力ある衛星システムを実現することを目指しています。その実現に向けて、JAXA内の三部門(研究開発部門、有人宇宙技術部門、第一宇宙技術部門)が連携して、初めて「きぼう」を衛星の技術開発のプラットフォームとして利用し、必要となる衛星の高排熱技術の軌道上実証実験を行います。
次世代静止通信衛星では、国際競争力を確保するためには通信機器の搭載数を大幅に増加することが要求されております。それに伴って、通信機器への供給電力を増大させる技術とともに、通信機器から発生する大量の熱を排出する技術が必要になります。これまでは衛星を大型化して大きな放熱面(ラジエータ)を確保することにより対応してきましたが、衛星は打ち上げ時にロケットのフェアリング内に収納できるサイズにしなければならず、大型化には限界があります。そこで、更に排熱能力を大幅に向上させるために、打ち上げ後、衛星に搭載したラジエータを軌道上で展開する「展開ラジエータ技術」で対応することを計画しています。
展開ラジエータでは、熱を長い距離、効率よく運ぶことができるループヒートパイプ(LHP, Loop Heat Pipe)を利用して、機器が搭載される衛星構体から展開ラジエータまで熱を運びます。(LHPに関するページはこちら)。次世代静止通信衛星への搭載に先立ち、技術試験衛星9号機にてLHP展開ラジエータの技術実証を行いますが、技術試験衛星9号機にLHP展開ラジエータを搭載するにあたり、LHPが微小重力環境下で問題なく動作し、想定どおりの挙動を示すことを確認するために、「きぼう」を利用したLHPラジエータ(LHPR)の軌道上実証実験を行います。軌道上実証実験用LHPRは「こうのとり」7号機で打ち上げられ、「きぼう」のロボットアーム(JEMRMS)先端に把持された状態で約1ヶ月間、軌道上実証実験を実施します。軌道上実証実験で得られた成果を技術試験衛星9号機のLHP展開ラジエータの開発に確実に反映することにより衛星開発のリスク低減を図り、技術試験衛星9号機での技術実証後、次世代静止通信衛星に本格投入となる予定です。このように第一宇宙技術部門が開発する衛星に使用する研究開発部門が開発した技術を有人宇宙技術部門が連携して「きぼう」を利用して実証実験を行うのは今回が初めての試みとなります。
【参考】先進熱制御デバイスLHPの技術的な詳細は研究開発部門HPへ
【参考】技術試験衛星9号機の詳細は第一宇宙技術部門HPへ
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