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宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(HTV2)の打上げを控え、2010年11月30日、筑波宇宙センター(TKSC)のHTV運用管制室にて、「こうのとり」2号機の運用管制シミュレーションであるNASA/JAXA合同シミュレーション(Joint Multi-Segment Training: JMST)の様子がプレス公開されました。
JMSTは、NASAが国際宇宙ステーション(ISS)計画の国際パートナや遠隔地の管制施設と通信回線で接続して実施する運用シミュレーション訓練です。「こうのとり」のJMSTは、筑波宇宙センター(TKSC)とNASAジョンソン宇宙センター(JSC)を接続して行います。JAXAのHTV運用管制チーム(HTV Flight Control Team: HTV FCT)の運用管制員と、NASAの飛行管制官は、協調運用に必要となる技術の向上を目的に訓練を行います。
今回のJMSTでは、国際宇宙ステーション(ISS)より約12km低い軌道から徐々にISSに接近する「こうのとり」2号機を、ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)により把持し、ISSに結合するまでの一連のイベントを約20時間かけて模擬しました。プレス公開では、第2回目の高度調整マヌーバを行う前後の様子が公開されました。
JMSTの公開に先立ち、田邊宏太HTVフライトディレクタから、「こうのとり」の概要や「こうのとり」2号機の飛行計画の説明、HTV FCTとHTVフライトディレクタの紹介、今回のJMSTの内容に関する説明などが行われました。説明の後には質疑応答が行われました。また、JMSTの公開後にも、田邊、内山崇両HTVフライトディレクタによる質疑応答が行われました。
今回のJMSTは実際の運用を模擬して通して行うのか、という記者からの質問に、田邊、内山両HTVフライトディレクタは、HTV FCTのシフトの交代もあり、NASAの飛行管制官も実運用に即してアサインされ、実際の運用を模擬して通して行うと答えました。更に、JMSTの途中で様々なトラブルを発生させ、それらに対応する訓練も行うと述べました。
JMSTで発生させるトラブルについての質問に、田邊、内山両HTVフライトディレクタは、「こうのとり」側やISS側のトラブル、地上のネットワーク間のトラブル、さらには軌道制御時の「こうのとり」のスラスタの噴射過多、もしくは噴射不足の状況で、予想とは違った軌道地点に投入されたとしてもノミナル状況に回復できるか、といったトラブルなどを設定していると述べ、複数のタイプの複合型や蓄積型など、高度なトラブルに対応する訓練を行うことで、HTV FCTも鍛えられていると語りました。また、「こうのとり」1号機(HTV技術実証機)で発生したトラブルは反映されているか、という質問には、「こうのとり」1号機で発生したスラスタの温度上昇などのトラブルを、訓練で使用するシミュレータに反映し、それらのトラブルに対応する訓練も行えるようになっていると答えました。
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