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JAXA宇宙飛行士活動レポート

JAXA宇宙飛行士活動レポートに連載している油井・大西・金井宇宙飛行士が綴るコラム記事“新米宇宙飛行士最前線!”のバックナンバーです。
最終更新日:2013年5月22日

今月は、完全にロシアでソユーズ訓練一色でした。星の街で訓練をしている際は、家族が居ないので、完全に訓練のみに集中しています。家族にとっては、お父さんが居ない期間が長く、とても大変です。しかし、全力で訓練に取り組まなければ膨大な知識や技能を習得出来ないので、私の訓練環境としては最高なのです。実は、今回の訓練で学んだ軌道・姿勢制御系の学科は、最も難しい学科のうちの一つで「この試験に合格しないうちは、結婚してはいけない!」なんて冗談も聞きます。他の多くの職業も同様だと思いますが、基本的にはしっかりと良い仕事をしようとすると、家族の協力が必要不可欠です。お互いに家族への感謝は忘れないようにしましょうね。

写真:ソユーズの訓練を受けていると、アメリカでパイロットになるための訓練を受けていた時の事を思い出します!そして、若返った気がしてしまうのです!43才の私が23才の時と同じ様に挑戦している事が幸せですし、機会を与えて頂いた事に感謝しています。

ソユーズの訓練を受けていると、アメリカでパイロットになるための訓練を受けていた時の事を思い出します!そして、若返った気がしてしまうのです!43才の私が23才の時と同じ様に挑戦している事が幸せですし、機会を与えて頂いた事に感謝しています。(出典:JAXA/GCTC)

さて、今回色々なロシア人の方々と話している中で「人の幸せもそれぞれだな」と思った事がありましたので、少し紹介します。

ロシア人の日本人に対する印象は、とても良いようで、特に日本人の勤勉さを誉めてくださる方が多いです。実際、日本人の私自身がいうのも何ですが、私の周りにいる日本人は本当によく働くと思います。私の勉強ぶりを見て、誉めてくれるロシア人も多いのですが、私がよく言うのは「他の日本人は私よりももっと働きます。私自身も飛行士の訓練中は、睡眠時間も取れるし、寝袋で寝るわけでもないので、以前よりも働いていません。」という話をします。そこまで話すと、一部の方々は、そこまで仕事をするという事が理解出来ない様子で、「一体何の為の人生なんだ?」「お前はそれで幸せなのか?」と真剣に質問をされることがありました。以前お話しましたが、私の人生の目標であり幸福は、他の多くの方々の為に貢献する事ですので、そのためには、どんなに沢山仕事をしても幸せです。一方で、余りに仕事に集中しすぎると、家族へのケアーが疎かになり、家族の不満(特に妻?)が溜まってきます。そこで、あくまで仕事に軸足を置くのか、家族に軸足を置くのかは、意見が別れるところでしょう。

実際にロシアで会話をしている時も「仕事を一生懸命頑張っているのは、家族の為であり、世の中の為なのだから、家族がお父さんを愛しているなら、多少の事は我慢すべきだ!」という方もいましたし「仕事をして家族と過ごす時間が無いなんて、何の為に仕事をしているんだ!家族を疎かにするなんて本末転倒だ!」という意見も聞きました。思ったのは、お国柄、男女の差などはあるにしろ、色々な考え方の人がいて、それぞれの人の幸せの感じ方も異なるのだという事です。これは、実は当たり前の事で、それぞれの考え方を尊重しながら、自分の考え方を人に押し付けない事が、結局のところ多くの方が幸せを感じる秘訣かな?などと考えました。結婚してこれから家庭を築く方々や既に築いている方々も、一度しっかりと時間をとって話し合い、お互いの考え方を認識しておく事が大切かもしれませんね。相手をよく知った上でないと、相手に対する思いやりも、結局独りよがりになり、気持ちが通じませんからね。

少し話は変わりますが、最近、日本を取り巻く環境をみながら、他国との信頼関係を築く事の難しさを痛切に感じます。冷静に考えれば、憎しみから明るい未来が生まれることが無いのはわかるのですが、人間は、どうしても自分の立場や組織など身近な物の直接的利益を優先させる傾向があるのかもしれません。でも、先輩宇宙飛行士の方々をみると、些細な争いは勿論、国同士の争いなども超越している方々が多い気がします。人が宇宙に行くということは、本当に特別な意味があって、科学分野だけでなく文化・芸術なども含め、人類が新たな段階に進むための重大なステップなのかもしれませんね。以前、戦争という人類が長い歴史の中で継続してきた活動を、真剣に研究してきた私がそのように感じるのです。本当に何らかの真実があるのかも…私が宇宙に行ってきたら、その辺りの経験、感想をお話しするとともに、より多くの方が幸せに暮らせる世界のために更に頑張ります!

今回も、あまり、宇宙の話とは関係がない話をしてしまいました。次回は、宇宙開発関連の話題を書きますので、楽しみにしていてくださいね。

写真:週末は、モスクワで気分転換です。私の両隣のワンちゃん達を、ご存知ですか?初めて宇宙に行って生還した、ベルカとストレルカです。彼女達は、野良犬だったそうです。宇宙飛行の他にも、ニュース報道の事も考え、多くの犬の中から、従順で可愛らしい犬が選ばれたようです。(とロシア語のドキュメンタリーで言っていたような…私の聞き取り能力によると…)

週末は、モスクワで気分転換です。私の両隣のワンちゃん達を、ご存知ですか?初めて宇宙に行って生還した、ベルカとストレルカです。彼女達は、野良犬だったそうです。宇宙飛行の他にも、ニュース報道の事も考え、多くの犬の中から、従順で可愛らしい犬が選ばれたようです。(とロシア語のドキュメンタリーで言っていたような…私の聞き取り能力によると…)(出典:JAXA)



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