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JAXA宇宙飛行士活動レポート

JAXA宇宙飛行士活動レポートに連載している油井・大西・金井宇宙飛行士が綴るコラム記事“新米宇宙飛行士最前線!”のバックナンバーです。
最終更新日:2013年3月26日

今月は、いよいよ星の街での訓練が開始されました。

この時を目標にロシア語、文化、歴史の勉強を重ねてきました。さて、その成果は?

語学に関しては、まだまだ不十分でした!ロシア語を学び始めた当初は、正直、取り組みへの真剣さが不十分だったと思います。真剣にロシア語を学び始めたのは、初めてロシアに渡った1年前からです。それでも、ほぼ毎日数時間ずつ勉強したこともあり、日常会話などに関しては、あまり苦労を感じることなく、過ごすことが出来ました。何より、ロシアを良く知った上で暮らしてみると、冬の寒さもあまり気にならず、とても快適に生活できました!

写真:ロシアの冬は、とても寒いです。でも、私はロシアの寒い冬が好きです。この寒さを経験してこそ、ロシアの文化や歴史が理解できる気がするのです。

ロシアの冬は、とても寒いです。でも、私はロシアの寒い冬が好きです。この寒さを経験してこそ、ロシアの文化や歴史が理解できる気がするのです。

当たり前の事ですが、ロシアに好意を持っている人を、ロシア人はとても大切にしてくれます。例えば、空港で英語で話しかけられた時に、英語でなくロシア語で答えると、ロシア人の表情がガラッと変わって、とても親切にしてくれます。これは日本でも同じで、英語しか話せないと思って英語で話しかけてみたら、日本語で答えてくれたら嬉しいですよね。それと同じなのだと思います。海外に行く時は、その国の言葉、文化、歴史を勉強するという礼儀作法を守っていれば、海外での生活が格段に快適になるというのが、今回の滞在で私が実感した成果の一つです。

一方で、ロシアに行って申し訳なく思うのは、ロシア人が日本人にとても好意を持って接してくれているのに、多くの日本人がそれを知らずにいるという事です。ロシアに関する良い情報は、なかなか日本国内に入っていかないようですね。何故でしょうか?最近この事実を知った時、私は非常に恥ずかしい気がしました。

日本に関する良い情報が、なかなか入っていかずに日本を嫌っている国があったとしたら、どう思いますか?その国の事を好きになれますか?ちょっと難しいですよね。

多くの日本人が、現在のロシアを知らない状況であるにも関わらず、多くのロシア人はとても日本人に友好的です。それらの好意を裏切る事がない様にするのが、礼儀じゃないかな?と思ってしまいました。私は、日本の方々には国際的にも礼儀正しい人であって欲しいのです。

話が逸れてしまいましたので、ソユーズ訓練の話に戻ります。

ロシアでのソユーズ訓練は、とても楽しいものでした!講義が一日8時間で、予習復習にほぼ同じだけの時間が必要でも、本当に楽しいのです。自分が楽しいと思って一生懸命勉強していると、教官や試験官達も、真剣に私をサポートしてくれます。私の講演で良く話をしているように、人間関係は、鏡と似ていて、自分が相手に好意を持って積極的な姿勢で接すれば、相手もそれに応えてくれる事が多いです。

さて、私は何故ソユーズの訓練を楽しむことが出来るのでしょうか?それは、私には夢があるからです。「将来、日本の有人宇宙船で宇宙に行く!」これが私の夢なのです。近い将来、日本が有人宇宙船の開発を行う事を決定した際には、その宇宙船の開発や試験に携わる人達が必要になります。私は、その開発に携わる為の能力を身につけたいと思っているので、勉強が楽しいのです。残念ながら、日本の有人宇宙開発を取り巻く環境は、厳しさを増しています。それでも、状況が好転した際に、日本国内に宇宙船の開発に必要な人材が不足しているという状況が発生しないようにするのが、私の役目だと思っています。日本のテストパイロットとして恥ずかしくない仕事が出来る様に今後も頑張って行きますので、応援をよろしくお願いします。

写真:ソユーズのシミュレータ訓練です。講義も楽しいですが、やはり何かを操作する方が楽しく感じるのは、元パイロットだからでしょうか?

ソユーズのシミュレータ訓練です。講義も楽しいですが、やはり何かを操作する方が楽しく感じるのは、元パイロットだからでしょうか?

※写真の出典はJAXA/GCTC



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