先日、バイコヌール宇宙基地から飛び立った若田宇宙飛行士の打ち上げを見学する機会を得ました。 初めて実物を目にするソユーズロケットは、ソチ・オリンピックを祝う特別なデザインが描かれ、大変美しく印象的でした。
また、雲一つない広いカザフスタンの青空を、高く昇って行くロケットの素晴らしさには、声もなく、ただ見入るばかりでした。
打ち上げられたソユーズロケットの光跡
これまでヒューストンや星の街での訓練や仕事、メディアでの報道を通して、知っているつもりになっていたソユーズ打ち上げでしたが、聞くのと見るのとでは大違いであることを強烈に実感させられた体験となりました。
理事長をはじめとしたマネージメント、打ち上げに関わるサポートのためのエンジニア、広報担当者と報道関係のみなさま、原田駐ロ大使をはじめとするゲストのみなさまと、さまざまなレベル・分野の関係者が、バイコヌールという小さな街に集まって、宇宙船の打ち上げという大きなイベントに臨みます。
集まったのは何も日本人関係者だけではありません。アメリカのNASAからも、ロシア本国からも、JAXAと同様に、それぞれの宇宙機関のトップクラスの役員、現場のエンジニア、宇宙飛行士、ゲスト、報道陣などが集まり、現地の宇宙基地の職員と一緒になって、半ば合宿のような時間を過ごしました。
この現場の空気というのは、テキストや訓練では決して学ぶことのできない“本物”の体験であり、今後、宇宙飛行士として仕事をしていく上でかけがえのない経験であったように思います。
打ち上げ直前まで繰り返される会議、打ち上げに向けての様々な情報が飛び交う中、粛々と準備が進んでいきます。
短時間ではありますが、打ち上げ直前の若田飛行士にお会いする機会がありましたが、ミッションに向けて体調も精神状態も充実して、研ぎ澄まされており、かといってピリピリと緊張しているわけではなく、ほどよくリラックスされている様子でした。
そういえば、現場で働くマネージャーやエンジニアも、真剣は真剣なのですが、「張りつめた緊張感」という感じはなく、むしろ長年の実績に裏づけされた自信に基づいて、一つ一つやるべきことをこなしていくというような、仕事っぷりだったように思います(打上げ直前はさすがに忙しそうでしたが・・・)。
見事な打ち上げが終わって数時間後には、ソユーズ宇宙船が無事に宇宙ステーションにドッキング。ハッチが開かれて、元気いっぱいに宇宙ステーションに入ってきた若田飛行士の笑顔を見たあと、関係者で集まって乾杯したビールの味の美味しかったこと!
ちなみに宇宙業界での、ロシア風(たぶん軍隊の風習が由来?)の乾杯は、「トゥリ(3)、チティリ(4)、ウラ!ウラ!ウラ~!!」とみんなで声を上げて、ショットグラスのウォッカを飲み干します。
アメリカ人もロシア人も日本人も関係なく、うまく言葉が通じなくても、みんな笑顔で「素晴らしかった!」「大成功!」などと大盛り上がり。やっぱり宇宙開発は素晴らしい!と改めて実感したしだいです。
※写真の出典はJAXA/NASA/Bill Ingalls