野口宇宙飛行士は、米国企業SpaceX社が開発中のクルードラゴン宇宙船の運用初号機搭乗に向けて訓練を開始しました。クルードラゴン宇宙船は、NASAケネディ宇宙センターからファルコン9ロケットで打ち上げられる予定で、本宇宙船への搭乗は、日本人で初めてとなります。
野口宇宙飛行士はミッションスペシャリストとして、NASA宇宙飛行士のMichael Hopkins宇宙飛行士、Victor Glover宇宙飛行士らと共に約6か月間の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在ミッションを行います。
先日は同乗クルーのMichael Hopkins宇宙飛行士、Victor Glover宇宙飛行士らと共にISS緊急事態対処訓練を行いました。これはISSという閉鎖宇宙空間で、万が一火災や有毒ガスなどの非常事態が発生した場合に、迅速に人命を確保するための訓練です。コマンダーのリーダーシップと、普段からのチームワークが重要となります。
「リーダーシップ」や「チームワーク」と言っても、普通に生活しているだけでは身につきません。例えば、宇宙飛行士の訓練の1つに「NOLS(野外リーダーシップ)訓練」というものがあります。NOLS訓練では、10名程度の宇宙飛行士が毎日リーダーを変えながら、雪崩の危険がある雪山や、熊が目撃される密林、干満差の激しい海岸など、50kmに渡る過酷な環境のサバイバルを通して、互いの信頼感やリーダーとしての資質を高めていきます。
昨年11月には、米国で行われたNOLS訓練に野口・星出宇宙飛行士が同時に参加しました。現在、星出宇宙飛行士は、ヒューストンを拠点に、ISSミッションに向けた訓練としてISSや新型有人宇宙船などに関わる訓練を行っています。