国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、4月6日から10日にかけて、ドイツ ケルンにある欧州宇宙機関(ESA)の欧州宇宙飛行士センター(European Astronaut Centre: EAC)で、ESAの実験に関わる訓練を行いました。
油井宇宙飛行士は、微小重力環境において宇宙飛行士の筋力が時間の経過とともにどの様に弱っていくのかを調べるために使われるMARESと呼ばれる筋力測定装置について習熟するための訓練を行いました。また、培養室や冷蔵庫として利用するKubikと呼ばれる小型の装置のメンテナンス方法についても訓練を行いました。これらの訓練の他に、微小重力環境下にいる宇宙飛行士が地上のロボットを遠隔操作するシステムの開発を目指すHaptics-1と呼ばれる実験の一環で、ジョイスティック操作時にジョイスティックに加わる力を測定しました。地上と微小重力環境下では操作感覚が異なると考えられており、取得したデータは、ISS滞在中に取得するデータと比較され、システムの開発に役立てられます。
4月13日からは、ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターでソユーズ宇宙船とISSのロシアモジュールについて訓練を行いました。ソユーズ宇宙船については、ISSへのランデブ・接近・ドッキングと帰還する際の運用手順をシミュレータを使用して訓練しました。訓練の最後には、オレッグ・コノネンコ、チェル・リングリン両宇宙飛行士とともに、ソユーズ宇宙船を手動で操縦する技術の認定試験を受けました。試験は、ISSとのドッキングと帰還時の操縦技術について行われました。ロシアモジュールについても運用技術の認定試験を受け、油井宇宙飛行士らは全ての認定試験を完了しました。
なお、油井宇宙飛行士が搭乗するソユーズTMA-17M宇宙船(43S)の打上げは、プログレス補給船(59P)のISSへのドッキング断念を受け、当初予定されていた5月27日から延期されました。新しい打上げ予定日は7月下旬を目標としています。