国際宇宙ステーション(ISS)の第32次/第33次長期滞在クルーである星出宇宙飛行士は、2月上旬に筑波宇宙センターで、また2月中旬から下旬にかけてロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)で訓練を行いました。
筑波宇宙センターでは、「きぼう」日本実験棟の各サブシステムについて復習したほか、「きぼう」ロボットアームの関節の交換作業や、小型衛星放出機構を「きぼう」のエアロックから搬出する際のエアロック操作、宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)に関する軌道上での作業の確認などを行いました。
また、「きぼう」に搭載されている実験装置の操作方法を再確認し、ISS滞在中に実施が予定されている科学実験や医学実験に関わる訓練なども行いました。
その他にも、同時期に筑波宇宙センターで訓練を行っていたクリストファー・ハッドフィールド宇宙飛行士(カナダ宇宙庁(CSA))、トーマス・マーシュバーン宇宙飛行士(NASA)とともに、「きぼう」運用管制チームとロボットアームの運用を模擬する合同訓練を行い、管制チームとの連携を強化しました。
ロシアでは、ソユーズ宇宙船とロシアモジュールに関して、これまでに学んだ知識・技術の再確認に加え、ソユーズ宇宙船で飛行する間やISSに滞在する間の、さまざまな状況を想定したシミュレーション訓練を行いました。
ロシアモジュールについては、火災や急減圧を想定した訓練を行いました。火災発生を想定したシミュレーション訓練では、消火活動が成功しなかった場合を想定し、ガスマスクを装着した状態でソコル与圧服に着替え、ソユーズ宇宙船でISSから分離して緊急帰還することになった場合の手順を確認しました。
ソユーズ宇宙船については、打上げ後に機器/推進モジュールから機器の冷却に使用している窒素ガスが漏れたことを想定し、緊急帰還する訓練を行いました。エンジンの故障など、幾重にも異常が発生する中で、安全に帰還するための対応手順を確認しました。
その他にも、ISSでロシアの宇宙飛行士が実施する船外活動時の支援作業について復習しました。
打上げまで半年を切り、訓練ではこれまで学んだことを復習し技量の維持・向上に努めるとともに、自分たちが実施する予定の実験操作や、軌道上で取得する医学データと比較するための地上でのデータ取得を行っています。
クルー間だけでなく、地上の管制チームとの連携も強化しつつ、淡々と準備を進めています。
「きぼう」に「戻る」のを楽しみにしています!