国際宇宙ステーション(ISS)の第28次/第29次長期滞在クルーである古川宇宙飛行士は、長期滞在に向けて訓練を継続しています。
1月上旬は、筑波宇宙センター(TKSC)にて、「きぼう」日本実験棟のロボットアームと、「きぼう」で実施する実験に関わる訓練を行いました。「きぼう」ロボットアームに関わる訓練では、シミュレータ上でロボットアームを操作し、親アーム先端の子アームを「きぼう」船外実験プラットフォーム上の保管場所に取り付ける作業などを想定した手順を実施し、操作技術に磨きをかけました。実験に関わる訓練では、ライフサイエンス実験「植物の重力依存的成長制御を担うオーキシン排出キャリア動態の解析(CsPINs)」実験を実施する上で必要になるクルーの作業手順を確認しました。
1月中旬からは米国に戻り、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)で訓練を行いました。
古川宇宙飛行士は、ISSに実際に搭載されている医療機器を確認するとともに、血圧計・血中酸素飽和度測定計の使用方法や、注射器の取り扱い方法などを確認しました。医師のバックグラウンドを持つ古川宇宙飛行士は、長期滞在中に医療担当クルー(Crew Medical Officer)を務め、他のクルーが怪我などをした場合に手当てに当たります。
また、第28次長期滞在クルー6人全員で、ISSのモックアップ(実物大の訓練施設)を使用して、火災や空気汚染、減圧などの発生を想定した対応訓練を実施し、クルー間および地上の飛行管制官とのコミュニケーションの取り方を重点的に確認しました。
そのほか、ISSで日常的に行われている物品の在庫管理システムのデータ更新、トイレのメンテナンス、日課の運動などをタイムラインに沿ってシミュレーションし、ほかのクルーと協調しながら作業を進める訓練も行いました。