JAXA宇宙飛行士活動レポート 2004年10月
JAXA宇宙飛行士の2004年10月の活動状況についてご紹介します。 ミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者:MS)候補者訓練古川、星出、山崎宇宙飛行士は、10月も引き続きスペースシャトルのミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者:MS)候補者訓練を行いました。 T-38ジェット練習機操縦訓練9月に引き続き、T-38ジェット練習機の飛行訓練を行いました。今月は、計器だけを頼りに飛行する計器飛行、編隊飛行、技量確認飛行を行いました。今後も、夜間飛行や長距離飛行などを通じてスキルを高めて行きます。
KC-135による無重量環境訓練
KC-135と呼ばれる飛行機に乗り、無重量環境訓練も行いました。KC-135は弾道飛行を行い、1回20秒程度の無重量状態を作り出すことができる飛行機で、野口宇宙飛行士もスペースシャトルの飛行再開に向けて数々の訓練や検証を行ってきました。また、映画「アポロ13」の撮影で使用されたことでも有名です。今年10月終わりに引退し、後継機のC-9にその役割を譲りました。 NASA施設現地研修 ステニス宇宙センター、ロッキード・マーティン社ミシュー組立工場、マーシャル宇宙飛行センターを訪れ、スペースシャトルのメインエンジンの燃焼試験、外部燃料タンクの製造工程等を見学しました。いずれの施設も、スペースシャトルの飛行再開に向けて頑張っており、チャレンジャー号事故およびコロンビア号事故で亡くなったクルーの写真が壁に頻繁に飾られているなど、有人宇宙飛行を支える現場の安全性・信頼性に対する意識を感じることができたとのことです。 「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)運用支援
10月18日に、ISSでは「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)の、第9次長期滞在クルーのマイケル・フィンク宇宙飛行士から第10次長期滞在クルーのリロイ・チャオ宇宙飛行士への運用引継ぎ作業が行われ、両宇宙飛行士がこのカナダアーム2の運用を行いました。 ヒューストンのミッションコントロールセンターでは、若田宇宙飛行士がISSと地上との交信担当(CAPCOM)を務め、ふたりの作業を地上から支援しました。若田宇宙飛行士は、STS-72、STS-92ミッションでチャオ宇宙飛行士とともに飛行しています。合計13回にわたる宇宙でのロボットアームの操縦経験があり、現在、NASA宇宙飛行士室でロボティクス教官宇宙飛行士を担当している事等から、今回のCAPCOM役を任命されました。 土井、若田宇宙飛行士GEM (Go the Extra Mile) AWARD受賞土井、若田宇宙飛行士は、NASAからGEM(Go the Extra Mile) AWARDの表彰を受けました。GEM AWARDは、NASAの宇宙飛行士関連業務で功績が認められたときに贈られる賞です。土井宇宙飛行士は、常に最良の結果を導く優れた判断力や技術を持って、ISSや「きぼう」日本実験棟の開発に貢献していることについて評価されました。また若田宇宙飛行士は、特にロボットアームや船外活動についての優れた技術を持って、ISSの開発やスペースシャトル飛行再開に向けた技術開発に貢献していることが評価されました。 最終更新日:2004年11月26日
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