今月の古川、星出、角野宇宙飛行士候補者の基礎訓練レポートは、潜水研修、写真技術、飛行機操縦訓練についてご紹介します。
| 潜水研修 |
宇宙飛行士候補者は、船外活動(EVA)を行う上で必要となる基本的な動作を習得するために、来年筑波宇宙センターの無重量環境試験棟(WETS)の水槽で水中用宇宙服を着用してEVA訓練を行う予定です。
EVA訓練の準備として潜水技術に関する知識を習得するために、古川、星出両候補者は、海洋科学技術センター(JAMSTEC)で潜水研修を受けました。
午前中は潜水概論、潜水法、潜水生理などについての講義を受け、午後は水深3.5mの潜水用プールで実習を行いました。プールでは、重りを首にかけての水泳や、息継ぎなしでの40m潜水泳、万一の場合を想定して器材の水中での再装着やレンズを黒く覆ったマスクを装着して見えない状態での障害物排除などの実習を行い、スノーケリング及びスキューバの基礎技術を習熟しました。
なお、角野候補者は以前に従事した業務の中でこの研修を受けています。
| | | | | 重りを首にかけての水泳 | 40m潜水泳 | 水底に置かれた重りとマスクを拾って装着する訓練 | 見えない状態での障害物排除 |
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| 写真技術訓練 |
9月中旬に、3人の候補者はビデオや写真撮影に関わる撮影機材の原理と使用方法、および撮影技術を習得するために写真技術の訓練を行いました。
3人が将来国際宇宙ステーション(ISS)に滞在するようになると、そこで行われる宇宙実験や地球の様子をビデオや写真に収めることが仕事の一つとなるため、撮影の技術と知識が要求されるのです。
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講習風景 | 写真撮影訓練 | ビデオ撮影訓練 | 古川宇宙飛行士候補者 |
| 飛行機操縦訓練 |
古川、星出両候補者は、米国テキサス州のヒューストンにて小型軽飛行機を用いた飛行機操縦訓練を開始しました。11月まで約2ヶ月間をかけて訓練を行います。
この訓練は、英語による無線でのコミュニケーション能力、ストレス環境下での状況認識力、判断力、計器等の操作能力等の向上や、飛行感覚を養うことが目的です。
なお、角野候補者については、筑波宇宙センターで主に語学訓練、体力訓練を行っており、今後必要とされる時期にこの訓練を行う予定です。
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訓練に使用する 小型軽飛行機 | 星出宇宙飛行士候補者 | インストラクターと共に |
月刊基礎訓練レポート10月分は11月上旬に掲載予定です。お楽しみに。
最終更新日:1999年 10月 19日
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