宇宙探検家協会(Association of Space Explores(ASE))の目的と沿革
宇宙探検家協会は、宇宙飛行を経験した28カ国、270人以上の宇宙飛行士によって構成されている世界的な規模の非営利団体です。その活動内容は、地上の人々の生活を豊かにするための宇宙科学、宇宙開発の支援や、科学技術教育の促進、環境問題の意識増進、有人宇宙活動の国際協力を目的として活動しています。本部事務局は、ヒューストン及びモスクワにおかれています。
本協会は、1969年にアポロ9号でルナーモジュール初飛行を行った米国のシュワイカート宇宙飛行士と、初めて宇宙遊泳を行った旧ソ連のレオノフ宇宙飛行士らによって1985年に設立されました。以来年に一度、通常一週間の期間で世界各国に於いて総会を開いています。総会では開催国の政府機関、宇宙関係機関、研究機関及び一般からの参加のもと、各国の宇宙開発の現状についての情報交換をはじめ、有人宇宙開発に関する技術的な問題について、また開催国からの提案によるその年のテーマについての話し合いを行います。また、テーマに関連した分野で特に著しい貢献のある個人を表彰し、クリスタル・ヘルメット・アワードという賞を贈っています。これまでの受賞者には、Jacques
Yves Cousteau、Gerard O'Neill、Isaac Asimov、Yuri Gagarinがいます。
宇宙飛行士による唯一の国際団体として、本協会は、有人宇宙開発関係の業務に就く人々の国際的なレベルでの相互理解を促進しています。各国の宇宙開発における安全性やレスキューについて意見交換し、論文等を発行しています。
また、教育は本協会の主要な活動目的の一つです。会員の宇宙体験を、将来のリーダーである子供たちを含む人類共有の財産として活発に議論し、地球の環境問題や、将来の有人宇宙開発の方向性について賢明な選択が行えるようにしようという目的を掲げています。
さらに本協会は、多くの環境問題を解決する上で宇宙から得られた環境学的な知識は非常に有益なものであり、地球上での人類の活動をモニターする上で宇宙がより重要な役割を担いうると考えています。我々が出版した、”The
Home Planet” は国際的なベストセラーとなりました。
本協会は宇宙開発における国際協力を支援し続けています。宇宙開発は技術集約的で非常にコストがかかるものであり、多くの国が協力して問題を解決していくことは大きな利益になるからです。本協会は、宇宙分野における多国間の人材交流の促進や、宇宙飛行士の安全性の確保、政治的環境をグローバルに変化させ宇宙協力に向けた新しい可能性を作り出すような高レベルでの議論の場となっています。21世紀、宇宙での科学探究と開発のための国際協力は拡大し続けるでしょう。本協会は、人類がこの母なる地球から星々へと向かうにあたり、リーダーシップと先見性を示すことで貢献し続けるでしょう。