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産業技術総合研究所(AIST)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の連携のもと、タンパク質構造に基づく創薬等の現状や今後の展開を議論する研究交流会をAIST-JAXA共同で開催いたします。
本研究交流会においては、AIST及びJAXAが保有する技術と最新の成果、宇宙実験を使った研究課題へのアプローチ法等についてご紹介するとともに、産学の研究者よりそれぞれの立場から見たタンパク質結晶解析への期待を語っていただきます。その後、皆さまと講演者及びAIST・JAXA研究者との意見交換やネットワーキングを行います。
皆様が抱える課題の解決に向けて、構造生物に関する最新技術や研究動向を入手する絶好の機会です。どなたでも無料でご参加いただけます。沢山の方々のご参加をお待ちしております。
日時 | 2018年2月22日(木)13:30~17:00 |
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場所 | フクラシア丸の内オアゾ 会議室I 〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング 15階 |
定員 | 60名 |
共催 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST) 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) |
協賛 | 一般財団法人バイオインダストリー協会 |
参加費 | 無料 |
参加申込 | 参加申込フォーム(外部サイトに移動します) |
申込締切 | 2018年2月21日(水)15:00 |
お問合せ先 | JAXAきぼう利用プロモーション室 z-kibo-promotion@ml.jaxa.jp |
時間 | 内容 |
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13:00 | 受付開始 |
13:30-13:35 | 開会挨拶 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 有人宇宙技術部門 きぼう利用センター センター長 田崎 一行 |
13:35-14:05 (質疑5分) |
講演1:発光イメージングにおけるタンパク質構造解析への期待 産業技術総合研究所(AIST) バイオメディカル研究部門 研究部門長 近江谷 克裕 |
14:05-14:35 (質疑5分) |
講演2:「きぼう」日本実験棟を利用した高品質タンパク質結晶生成実験の新しい展開 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 有人宇宙技術部門 きぼう利用センター 研究開発員 木平 清人 |
14:35-14:45 | 休憩 |
14:45-15:15 (質疑5分) |
講演3:宇宙実験によるMAP2K7キナーゼの結晶高品質化及び高分解能X線構造解析 大阪府立大学大学院理学系研究科 准教授 木下 誉富 |
15:15-15:45 (質疑5分) |
講演4:製薬業界として宇宙実験に期待すること エーザイ株式会社 筑波研究所 ディレクター 川上 善之 |
15:45-15:55 | AIST-JAXA連携の今後の展開について 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 有人宇宙技術部門 きぼう利用センター 技術領域主幹 吉崎 泉 |
15:55-16:00 | 閉会挨拶 産業技術総合研究所(AIST) |
16:00-17:00 | 意見交換・ネットワーキング(講演内容への個別質問、今後の展開や国立研究開発法人への期待等の議論、課題解決に向けた相談など) 私たちが参加します。
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AIST バイオメディカル研究部門 研究部門長 近江谷 克裕
ホタルの光に代表される生物発光は基質ルシフェリンの酸化に伴う化学反応である。8つのルシフェリン構造が決定され、この反応を触媒するルシフェラーゼの一次構造も明らかになりつつあるが、立体構造が解明されたのはホタルやイクオリンなど数種類に限られている。一方、生物発光はATPの定量や細胞内の遺伝子発現の解析等、生命科学研究を支える重要な光となっている。さらに多くのルシフェラーゼの構造解析が進めば、発光イメージングは大きく進展するであろう。本講演ではルシフェラーゼ構造の解明によって生まれる新たな可能性を述べる。
JAXA 有人宇宙技術部門 きぼう利用センター 研究開発員 木平 清人
「きぼう」日本実験棟で行われている応用利用分野の実験は、「出口の見える実験」を目指している。高品質タンパク質結晶生成実験では、実験で得た成果を医薬品や新素材など地上の製品開発へ応用したり、我々の生活改善に利用するなど、社会に還元できるような具体的な成果が期待されている。本講演では、タンパク質結晶化プロジェクトのこれまでの経緯と現状、宇宙実験の実際、今後の展望についてお話させて頂く。
大阪府立大学大学院理学系研究科 准教授 木下 誉富
安定変異体の開発及び宇宙環境下での低温結晶化実験により実現した、高分解能X線結晶構造解析により、MAP2K7のアロステリック活性制御機構を明らかにした。この知見に基づき設計したペプチド化合物は弱いながらも酵素阻害活性を示しており、高選択性MAP2K7阻害薬の創出が期待される。
参考文献:
T. Kinoshita*, T. Hashimoto, Y. Sogabe, H. Fukada, T. Matsumoto, M. Sawa, High-resolution structure discloses the potential for allosteric regulation of mitogen-activated protein kinase kinase 7, Biochem. Biophys. Res. Commun. 493, 313-317 (2017).
エーザイ株式会社 筑波研究所 ディレクター 川上 善之
古くは1994年坂部知平先生(筑波大学、高エネ研)の呼びかけにより企業14社が参加して高エネ研フォトンファクトリーを利用したTARA坂部プロジェクトが発足し、創薬へのタンパク質構造解析が本格的に始まった。このプロジェクトはその後つくば共同体として活動を継続し、SPring-8を利用した蛋白質構造解析コンソーシアム(製薬協加盟22社が参加、現在は創薬産業構造解析コンソーシアムと変わった)につながって発展している。
その間にJ-PARC(中性子)、SACLA(X線自由電子レーザー)、クライオ電顕といったタンパク構造解析の道具と京コンピュータが登場し医薬品の標的分子であるタンパクの構造解析や分子設計が飛躍的に進歩した。
また、タンパクの構造解析で最も重要かつ困難な過程である高品質な結晶の獲得に関して宇宙実験による微小重力下における結晶成長が効果をもたらすことが分かってきた。
世界第2位の創薬国である日本は優れた基礎科学技術に支えられて実現されたもので、宇宙実験はその中でもまさに創薬産業では日本しか手に入れられないものである。国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」を使ってより身近に宇宙実験が応用できる時代が来ることを願っている。
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