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左から馬嶋教授、Irwan Fridovich先生、犬童講師、富田助教。 Fridovich先生は、馬嶋先生の研究対象であるマンガンスーパーオキサイドディスムターゼの発見者です。


NASAケネディ宇宙センターにて

Neuro Radというのはどういう実験なんですか。

「Neuroは神経細胞(Neuron)、Radは放射線(Radiation)。 簡単に言ってしまうと、宇宙放射線にさらされた神経細胞にどんな影響があらわれるのかを検証する実験です。 神経というのは、体の各部分で感じたことを脳や脊髄に伝え、脳や脊髄からの命令を体の各部分に伝えるといった、きわめて重要な役割を果たしています。 月面基地建設や火星探査など、ヒトが宇宙に長期滞在する時代を迎えつつある今、宇宙放射線の神経細胞に対する影響を正確に把握しておくことは不可欠だと思います」

宇宙実験の意義について、先生のお考えをお聞かせ願えますか。

「宇宙というのは、地球で生まれ、進化を遂げてきた生命体にとって、まったく経験のない未知の環境です。 僕らが住む地球には1Gという重力があり、さらに、強烈な宇宙放射線も大気圏や地球の磁場によって遮られ、地表に届く量はごくわずかです。 ところが、宇宙には重力もないし、地上の被爆量の約100倍にのぼる強烈な宇宙放射線が飛び交っています。 宇宙に滞在する期間が長くなればなるほど、身体への影響も大きくなるかもしれません。 本格的な宇宙時代を迎える前に、人類が安心して宇宙に旅立てるように、地道に基礎研究を積み重ねておく必要があるのです」

Neuro Rad実験は日本人宇宙飛行士が担当するのですか。

「12月にロシアの宇宙船ソユーズで宇宙へ旅立った、野口聡一宇宙飛行士が担当してくれることになっています。 昨年夏、筑波宇宙センターで実施したトレーニングでは、Neuro Rad実験の内容と手順をご説明し、実際に野口さんにリハーサルをやって頂きました」

実験に使用する装置や試料は、いつ頃打ち上げられる予定ですか。

「2010年3月に、山崎直子宇宙飛行士とともに、アメリカのスペースシャトルで打ち上げられる予定です。 山崎さんは、日本人としては向井千秋さんにつづく女性宇宙飛行士。 しかも、日本人が2人同時に宇宙に滞在するのも初めてということで、かなり話題になってますよね。 非常にうれしく思います」



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