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成果


宇宙ならではの精密計測により、新たな事実が明らかに!

対流の影響がない宇宙で精密な実験を行うことができました。成果は大きく分けて3つあります。

@結晶の異なる方向への成長速度を初めて同時計測すると共に、過冷却の大きさが結晶成長にどのように影響するかを明らかに

結晶は、図1のa軸とc軸の方向に成長します。その両方向への成長速度を初めて同時に計測できました。地上実験では、a軸方向の成長速度と過冷却の大きさとの関係は、ある温度(臨界過冷却度)付近で理論からはずれますが、それは重力による熱対流が原因と考えられてきました。しかし、無重力にもかかわらず、今回の宇宙実験でも同じように理論とのずれが計測されました(図2)。今回初めて実現できたa軸とc軸の成長速度の同時計測により、a軸方向の成長速度の変化が、c軸(図1の平らな底面)の成長の仕方と関連があるという、新しい結晶成長理論が生まれました。この新しい理論は、著名な学術誌「フィジカルケミストリーB」に掲載され、また、学術誌「ネイチャーケミストリー」でも紹介されました。

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図1 氷結晶の成長軸

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図2 過冷却度(温度)とa軸の成長速度との関係


A超低過冷却度(融点にきわめて近い温度)での結晶の側面は丸みを帯びた形であることを初めて実証。コンピュータシミュレーションにより成長のメカニズムを解明

超低過冷却度では、氷結晶は円盤状になります(図3)。これまで円盤状の成長について対流の影響のない精密なデータは得られていませんでしたが、今回の宇宙実験で、円盤半径・厚みなどの経時変化を詳しく調べることができました。その結果、従来の地上実験で考えられていたのとは異なる結晶形態で結晶が成長することがわかり、コンピュータシミュレーションの結果とあわせて、新しい円盤成長のメカニズムを解明しました。この結果は著名な学術誌「フィジカルレビューE」に掲載されました。

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図3 円盤結晶を横から見た写真(左)、氷の結晶成長過程(右)
(画像は横1.6mm、縦1.2mm)

B宇宙のほうが地上より氷の成長が遅いことを確認

樹枝状結晶について、樹枝先端の成長速度と樹枝先端の丸みを計測し、地上データと比較しました。その結果、宇宙のほうが地上より氷の成長速度が小さいことが明らかになりました。宇宙では対流がないために、結晶が成長する際に放出される凝固熱が逃げにくく、成長が遅くなるためです。樹枝先端の丸みについても、詳細な解析と考察を行いました。


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