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国際宇宙ステーションと日本の実験モジュール「きぼう」

国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #05-04

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第10次長期滞在クルー
2005年1月26日(水) 午前8時00分(米国中部標準時間)
2005年1月26日(水) 午後11時00分(日本時間)

国際宇宙ステーション(ISS)の第10次長期滞在クルーは、1月26日に5時間28分の船外活動を行い、作業プラットフォーム、ケーブル、ロボット実験装置、科学実験機器を「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)の外側に取り付けました。

ロシアのオーラン宇宙服を着用した第10次長期滞在クルー(NASAのサイエンスオフィサーのリロイ・チャオとフライトエンジニアのサリザン・シャリポフ)は、米国中部標準時間1月26日午前1時43分(日本時間1月26日午後4時43分)に、「ピアース」(ロシアのドッキング室)から船外に出て、すばやく船外活動に必要な工具とテザーを準備しました。船外活動中、ISS内は無人になるため、ISSのシステムは停止もしくは自動運用状態にされました。さらに万が一クルーがISSに戻れないような事態が発生した場合に備えて、ISSの米国モジュールとロシアモジュールの間のハッチも閉じられました。

最初に行われたのは、作業プラットフォーム(Universal Work Platform: UWP)をズヴェズダ外壁に取り付ける作業でした。このUWP上には、ドイツとの商業契約実験であるRokviss(Robotics Component Verification on ISS: ISSにおけるロボット要素の検証)が設置されました。

Rokvissは、2個の関節を持つ小型ロボットアーム、照明装置、電源供給部から構成されています。チャオとシャリポフは、Rokvissが指令を受け取るためのアンテナの設置と配線の敷設も行いました。初めは、アンテナに電力が供給されませんでした。チャオとシャリポフは、アンテナを設置した場所に戻り、ふたつの電気コネクタを接続し直しました。その後、ロシアの技術者はRockvissが正常に動作することを報告しました。

Rokvissは、ドイツにいる運用者が地上から操作できるように設計されています。また、長期滞在クルーがズヴェズダ内にある端末からも操作できるようになっています。Rokvissは、将来の組み立て作業や衛星の修理・サービスに必要な、軽量ロボットアームの宇宙空間における能力を検証します。

チャオとシャリポフは、ズヴェズダ外部に設置され、日本との契約のもと実施されている実験装置(MPAC&SEED)の設置場所を変えました。2001年10月に第3次長期滞在クルーによって設置されたこの実験装置は、スーツケースを開いたような装置で、宇宙空間に存在する微小粒子を捕獲するとともに、試料板に取り付けられた宇宙機用部品や材料に対して宇宙環境が与える影響を調べるものです。

その後、チャオとシャリポフはズヴェズダの別の場所に移動し、エレクトロン(酸素発生装置)やヴォズドゥク(二酸化炭素除去装置)、粒子汚染浄化装置に使われている環境システムの排気口の検査を行いました。

シャリポフは、エレクトロンとヴォズドゥクの排気口近くに白と茶色の付着物が、また排気口周囲の断熱材に油質の物質が付着していることを報告しました。ロシアの専門家は、これらの装置に発生している技術的な問題解決の糸口を見つけるため、数週間前にこの点検作業を船外活動に加えました。シャリポフが撮影した写真は解析され、排気口の腐食や詰まりがこれらのシステムに繰り返し発生している問題の原因かどうか検証されます。

船外活動の終りに、チャオとシャリポフは、ロシアのBioriskという実験装置を「ピアース」(ロシアのドッキング室)のハッチ近くに取り付けました。Bioriskは、微生物や各種材料を入れた缶が数本並んだ構成になっています。宇宙環境が微生物や材料にもたらす影響のデータを収集し、地上に回収した後、生態学的な解析が行われます。

作業が終わると、チャオとシャリポフはピアースに戻り、1月26日午前7時11分(同1月26日午後10時11分)にハッチを閉じ、船外活動を終了しました。ピアースを加圧した後に、チャオとシャリポフはISSに戻り、宇宙服を脱ぎ、ISSのシステムを再起動し、米国モジュールとロシアモジュールのハッチを開けました。クルーは26日午後、早めに就寝し、27日は休暇を取る予定です。

今回の船外活動は、シャリポフにとっては初めて、チャオにとっては5回目の船外活動でした。これは、ISSの組み立てと保全のための船外活動としては57回目、ISSから船外に出たものとしては32回目、ピアースから船外に出たものとしては14回目でした。ISSの運用が始まってから、合計で343時間45分の船外活動が行われました。

チャオとシャリポフは、3月下旬に2回目の船外活動を行い、欧州宇宙機関(ESA)の欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)「ジュール・ヴェルヌ」の初到着に向けて、さらに機器を設置する予定です。ジュール・ヴェルヌは、今年後半に打ち上げられる予定です。

NASA、ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはwww.nasa.govをご覧ください。

次回のISSステータスレポートは、1月28日または新規イベントがあれば発行する予定です。

出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2005/iss05-4.html

*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。

最終更新日:2005年1月27日

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