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米国中部夏時間10月13日午後4時(日本時間10月14日午前6時)頃に、スペースシャトルの若田宇宙飛行士から、ホームページに寄せられた質問への回答が電子メールで以下の通り届きました。 ホームページ上の質問に対する回答 ホームページでもらった質問に答えたいと思います。 宇宙食はおいしいですか? 今回のミッションの2日目には、日本のご飯やみそ汁、シュリンプカクテルなどを食べましたし、緑茶やグレープフルーツジュースを飲みました。とてもおいしいですよ。私の出身地に近い草加から送って戴いた香ばしいおせんべいも、スペースシャトルの中でふわふわと浮きながら楽しく戴きました。 宇宙飛行初期の頃(1962年~1963年頃)は、チューブや1口サイズのスナックだったのですが、徐々に種類が増えていき、今では地上と変わらないほどの食事が出来ます。現在、NASAでは100種類ぐらいの飲食料品が用意されています。 例えば、チキンシチュー、ビーフストロガノフ、ピラフ、ストロベリーヨーグルト、グレープフルーツジュース、レモネードなどです。 栄養のバランスはよいのですが、一つ一つの量が少ないのと、無重量で胃の中の重さが感じられないのとで、満腹感はそれほど感じられません。 打上げのときなどにきているオレンジ色の服は何ですか? 打上げ時と帰還時は、オレンジ色の与圧服を着ます。これは、非常に高い高度(海抜30km以上)まで、スペースシャトル内の酸素およびキャビン圧力の喪失、低温環境、空気汚染等の事態が発生した際に宇宙飛行士を保護するためです。また、緊急脱出して、海などに着水したときに、服の内部への水の浸入を防ぐために完全に防水になっています。与圧服着用の際に背負うパラシュート・パックには、パラシュート、緊急用酸素システム、救命ボート、飲料水、サバイバルキット等が装備されています。この与圧服とパラシュート・パックを着用することによって、緊急時に対応できるようになっています。 これ以外に、スペースシャトルや国際宇宙ステーションの船外で活動を行うための白い宇宙服(EVAスーツ)があります。船外活動用の宇宙服は気密性がしっかりしているのはもちろんですが、温度調節及び湿度調節機能が付いており、昼夜の温度差が摂氏200度近くにもなる船外の厳しい環境の中で宇宙飛行士が安全に作業ができるようになっています。船外活動服の中は約3分の1気圧に純酸素で与圧されます。今回の飛行では4人の宇宙飛行士たちがこの宇宙服を着て約6時間半に渡る船外活動を計4回行います。
国際宇宙ステーションおよびスペースシャトルディスカバリー号(STS-92)より
宇宙開発事業団 宇宙飛行士 若田光一 最終更新日:2000年10月14日 |