| 機能 |
ズヴェズダには、睡眠用の個室、トイレ、調理設備、食事用のテーブルなどがあり、米国の居住モジュールが接続されてISSが完成するまで、居住スペースとして使用されます。ISS完成後、ズヴェズダの機能の多くは米国のシステムに置換えられていきますがその後もISSのロシア部分の中枢としての役割を果していくことになります。
ズヴェズダには、3つの与圧区画があり、前方部分に、小型で球形の移送区画(トランスファー・コンパートメント)が、中央部に、長い円筒形の作業区画(ワーク・コンパートメント)が、後方部に、円筒形の移送チャンバ(トランスファー・チャンバ)があります。
モジュールの後方は、移送チャンバの外部を与圧されていない組立区画(アセンブリ・コンパートメント)が覆っています。組立区画には、推進剤タンク、スラスター、通信アンテナ等の外部機器を設置しています。
ズヴェズダは、4つのドッキングポートを持ち、1つは、後方の移送チャンバにあり、残りの3つは、前方にある球形の移送区画に(3つのうちの1つは前方に位置しており、1つは上方に、1つは下方に)あります。後方のドッキングポートには、ソユーズ宇宙船および無人のプログレス補給船がドッキングすることができます。また、自動化されたランデブ、ドッキングシステムも装備されています。前方の
3つのドッキングポートのうち前方に面しているポートでザーリャとドッキングし、上方のポートには、以後の組立フライトでロシアの科学電力プラットフォーム(SPP)が結合されます。下側のポートには、以後の組立フライトでロシアのユニバーサル・ドッキング・モジュール(UDM)が結合される予定です。
ズヴェズダ・モジュール概観 | 画像提供:NASA |
ズヴェズダの居住設備としては、睡眠用の個人区画、洗面設備、調理設備、食事用のテーブルがあります。このモジュールには、前方の移送区画にある、ドッキング状況を観察する直径約23cmの窓3個、作業区画にある約40cmの大型の窓1個、各クルーの居室にそれぞれ1つづつ、さらに、地球やモジュール同士の観察を行えるように配置された窓を含めて合計で14個の窓があります。運動用の機器としては、NASAが提供するトレッドミル(歩行器)、自転車こぎ器が設置されます。汚水やモジュール内からの除湿などでたまった凝縮水は、モジュール内に設置される酸素発生装置で電気分解され、酸素としてリサイクルされますが、飲料水としてのリサイクルは行いません。
ズヴェズダの移送区画をエアロック代わりに使用する事により暫定的にロシアの宇宙服(Orlan-M)を使用しての船外活動も実施することができます。
ズヴェズダは、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からロシアのプロトン・ロケットで打上げられる予定です。打上げ時には、多くのシステムは停止状態にされていますが、軌道投入後には、事前にプログラムされたコマンドにより、各システムが起動され、太陽電池パドルおよび通信アンテナが展開されます。ズヴェズダはその後、すでに軌道を周回しているISSとのドッキングのため、ISSが周回している高度まで上昇したのち、ISS側がドッキングしてくるのを待機します。受動的な「目標」となったサービス・モジュールは、ロシアの自動ランデブ・ドッキング・システムと地上からの制御により、ISS(ザーリャ)とランデブ、ドッキングします。
| ズヴェズダの主要緒元 |
重量 | 約19t |
全長 | 約13.1m | 幅 | 約4.2m | 太陽電池パネルの全幅 | 約29.7m |
軌道上寿命 | 15年 | 太陽電池の発生電力 | 約7,500W |
最終更新日:2003年6月16日
|