第26回宇宙ステーション利用計画ワークショップ開催結果報告
2004年9月7日、8日の2日間、砂防会館シェーンバッハ・サボー(東京都千代田区)にて第26回宇宙ステーション利用計画ワークショップが開催されました。
2日間で延べ約580名の参加者が集まり、国際宇宙ステーション(ISS)と「きぼう」日本実験棟の利用をとりまく現状と展望について活発に意見交換が行われました。
開催案内
開催結果詳細
第1日目(〜国際宇宙ステーション及び「きぼう」を取り巻く現状と新たな展開〜)
開会挨拶
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国際宇宙ステーション・
きぼう利用推進委員会
委員長
黒川清 |
文部科学省大臣官房審議官
木谷 雅人 |
プログラム1
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JAXA理事
山元孝二 |
JAXA山元孝二理事から、"我が国におけるISS計画をとりまく課題"と題し、日本におけるISS計画の全体概要として、日本がISS計画に参加する意義や推進の方向性、日本におけるISS計画の課題などについて説明しました。
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NASA
Dr. Donald A. Thomas |
元NASAの宇宙飛行士で、現在ISS Program ScientistのDonald Thomas氏は、今年1月に米国ブッシュ大統領が発表した新宇宙政策の概要とISS計画に与える影響、スペースシャトル飛行再開に向けた準備状況、ISSの現状と完成までの流れなどについて紹介しました。
(3) 各極におけるISS利用計画の現状と今後の展望 |
NASAのISS Program Scientist、Donald Thomas氏は、ISSで米国が行っている実験や国際協力によって行われた実験の紹介など今までのISS利用の成果や10月に予定されている第10次長期滞在クルーの打上げ準備状況について報告しました。
また、ISSから撮影したアテネオリンピック会場や台風、真上から撮影した富士山など地球の写真を紹介しました。
最後に、9月中旬の東京からのISS可視情報を紹介し、皆さんもISSを見上げてくださいと締めくくりました。
欧州宇宙機関(ESA)のHead of Utilization Department、Zell氏は、ESAが開発を手がけたモジュールやATV、実験装置などの開発現状、ISSで実施した実験、今後予定されている実験について紹介しました。
また、ヨーロッパにおける地上研究や実験についても紹介されました。
カナダ宇宙庁(CSA)のLife and Physical SciencesのDirector、Buckley氏は、ライフサイエンス、微小重力といった分野別に実験プログラムを紹介しました。また、多くの研究や実験が国際協力で行われていることを報告しました。
ロシア連邦宇宙局(FSA)のCentral Research Institute of Machine BuildingのVasilieva女史から、日本を始め多くの国際協力による実験を行っていることを紹介しました。
また、 既に打ち上げられているロシアモジュールやこれから打ち上げる要素の紹介や将来の宇宙活動計画について紹介し、ロシアは様々な国際協力体制を提供する用意があると述べました。
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NASA
Dr. Donald A. Thomas |
ESA
Dr. Martin Zell |
CSA
Dr. Nicole Buckley |
FSA
Ms. Tatiana V. Vasilieva |
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JAXA
ISSプログラムマネージャ
白木邦明 |
JAXA
宇宙環境利用センター長
吉冨 進 |
JAXA白木プログラムマネージャから、「きぼう」日本実験棟、生命科学実験施設(セントリフュージ)、宇宙ステーション補給機(HTV)の開発状況や運用・利用に係る体制、「きぼう」開発/ISS運用に係る技術的課題などについて報告しました。
引き続き、JAXA吉冨センター長から、ISS利用の現状として、日本や国際協力で行った様々な科学実験内容およびその成果、ISSの利用に関する国内の体制などについて報告しました。
今回初のプログラムとして、黒川委員長とノンフィクション作家松浦氏との対談が行われました。
松浦氏は、ISS計画が抱える問題について持論を述べ、国際パートナーは、協力者であり競争者であるべきという意見を述べました。
黒川委員長は、次世代が奮い立つような国際的にみんなが参加できるようなツールが必要ではないかと話しました。
また、会場の参加者からも熱心な質問や意見が出されました。
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国際宇宙ステーション・きぼう利用推進委員会委員長
黒川清 |
対談 |
ノンフィクション作家
松浦晋也氏 |
(6) 今後のISS利用計画における国際協力について−パネルディスカッション− |
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JAXA
宇宙環境利用センター長
吉冨 進【座長】 |
NASA
Dr. Donald A. Thomas |
ESA
Dr. Martin U. Zell |
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CSA
Dr. Nicole Buckley |
FSA
Ms. Tatiana V. Vasilieva |
JAXA
宇宙環境利用センター
参事
清水順一郎 |
各極からの代表をパネリストに迎え、"今後のISS利用計画における国際協力"をテーマに活発な議論が行われました。
また、会場の参加者からも、実験手法や成果などについて国際的に情報共有できる仕組みの創設や今行われていることを青少年向けのメディアを使って子ども達に分かり易く提供して欲しいなどの意見が出されました。
第2日目(〜各利用分野における国際宇宙ステーション/「きぼう」利用の展望と期待〜)
プログラム2
ISS利用に関する8つの分野(宇宙生命科学分野、微小重力科学分野、基礎科学分野、宇宙医学分野、応用利用分野、技術開発分野、科学観測分野、教育をはじめとする一般利用分野)毎に研究状況や課題などについて講演が行われました。
(2) 特別講演 おどろき空間・無重力〜ISS滞在中に実践したたのしい理科実験〜 |
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NASA宇宙飛行士
Dr. Donald R. Pettit |
実験映像の紹介 |
第6次長期滞在クルーとして、2002年11月から2003年5月までISSに滞在したドナルド・ペティット宇宙飛行士による、特別講演が行われました。特に教育実験として行った、数種類の液体が混ざっていく様子などを映像で紹介しながら、微小重力環境下での物理現象などについて分かりやすく解説しました。
9月9日につくば国際会議場で高校生を対象にペティット宇宙飛行士の講演会が行われました。ペティット宇宙飛行士からのメッセージはこちらからご覧になれます。(Real形式、13秒、808kb)
(3) ISS/「きぼう」をどのように利用するか〜宇宙環境利用の将来展望〜 |
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パネリスト |
各利用分野の代表をパネリストに迎え、ISS/「きぼう」日本実験棟をどのように利用していくべきか、各分野の視点から積極的な意見交換を行いました。また、会場の参加者からも積極的な意見や質問が出ました。
会場の様子
2日間を通して、パネル展示や成果報告書、パンフレットなどが配布されました。
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STS-114ミッション紹介コーナ |
研究成果のパネルや研究紹介ビデオが展示され、成果報告書やパンフレットなどが配布されました |
植物栽培実験装置 |
最終更新日:2005年8月25日
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