微小重力環境では、地上で実施が困難な実験を可能にする。もし重力が無かったら、地球上の重力環境の下に進化してきた生物はどの様になるのか? 物理や化学の現象はどの様に振舞い、それらを地上の様々な活動にどの様に応用できるのか?人類が長年にわたって追求してきた科学の謎に迫り、また地上では見ることができない宇宙の姿や、地球の環境を観測することも出来る。
ISSはこれらの宇宙空間の特長を生かした様々な研究を長期間にわたって実施する「宇宙の研究所」として、また人類の宇宙進出のための挑戦をする恒久的な拠点として、国と人種を超えて取り組まれている、人類史上最大の国際協力による科学技術プロジェクトである。
ISSはアメリカ、日本、ロシア、カナダ、欧州等の計15カ国が共同して建設を進めている。スペースシャトルやロシアのロケットの40回以上の打ち上げによって、組み立てられ、完成時にはサッカー場程度の大きさになる。(写真右)
地上から約400kmの上空を時速28,000km、約90分で地球を周回している。
内部は大型旅客機2機分程度の空間となり、重力を除くと地上と同じ1気圧、20℃程度の環境を作り出し、最大7名が3ヶ月〜半年程度滞在する予定である。
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宇宙ステーションの大きさはサッカー場
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宇宙ステーションの内部の様子
(飛行士が髪を切っている)
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平成10年(1998年)に最初のモジュールが打ち上げられて以来、16回のシャトルの打ち上げ、26回のロシアロケットの打ち上げにより、建設が進められている(2004年11月現在)。平成12年(2000年)11月からは宇宙飛行士3名が交代で滞在を始め、平成16年(2004年)10月末現在、滞在日数が約1500日に達する勢いである。(写真下)
平成15年2月のスペースシャトルコロンビア号事故により、長期滞在飛行士が3名から2名に減り、現時点では組立作業が中断しているが、今後太陽電池パネルの追加、欧州や日本の実験モジュールの打ち上げを経て、完成し、その後10年以上様々な活動が行われる予定である。