宇宙文化人類は宇宙に飛び出してみて、初めて自分が生まれ、生活している地球をその目で見ることができ、自分たちを客観的に見るようになりました。「宇宙船地球号」という概念の誕生です。 「地球は青かった」 宇宙に飛び出した人は、国境のない地球、暗黒の中に青く輝く姿、を目の当たりにし、それから発せられた言葉の中には、人類全体で共有すべき新たな地球観や、人類の目指すべき方向性についての鍵があるかもしれません。 この様な視点を持ち得た我々人類は、これらをどのように活用し、何を考え、我々の子孫に何を残していくべきでしょうか? 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、その答えをみつけるために、人類初の国際協力による有人宇宙施設(国際宇宙ステーション(ISS))を利用した文化・人文社会科学的活動を考え、進めています。 ISS/きぼうの文化・人文社会科学利用(パイロットミッション) アイデア募集JAXAは、ISS/「きぼう」日本実験棟での文化・人文社会科学への利用を推進するために、「きぼう」の実質的な利用が開始されてから1年間程度をパイロットミッション実施期間(2008〜2009年頃)とし、文化・人文利用テーマをISS/「きぼう」で予備的に行うために、アイデアの募集を行い、6月16日(金)に締め切らせていただきました。たくさんのご応募をいただき有難うございました。 宇宙実験のための技術的条件および文化・人文利用における目的・意義を踏まえた評価をJAXAおよび文化・人文社会科学利用パイロットミッション選定委員会で行った結果、以下の10テーマを宇宙実験候補テーマとして選定いたしました。
これまでのJAXAの取り組み1. 東京芸術大学との共同研究微小重力環境における芸術表現の未来〜宇宙と人間の本質の探究に向けて 人類が宇宙をめざし、そして宇宙からを視点を得たことで、地球環境に対する理解が深まり、自然と人間、心、感性、宇宙観などが注目されてきました。それらに焦点をあて、研究を行いました。 人類が宇宙へ手を差し伸べ、その手にする様々な事象を我々が創造の源とし、未知を理解し、未知を考えることから、研究の未来も始まると考え、4つのプロジェクトを進めました。
2. 京都市立芸術大学との共同研究宇宙への芸術的アプローチ 人類が始めて宇宙にもつ恒久的な活動拠点ISSは、自然科学・工学分野だけでなく、科学技術と芸術、人文諸科学の"統合"を通じて、宇宙時代における人類の新たな自然観・生命観を形成していく契機になると思われます。 この契機を促進するために、宇宙における芸術表現の意義と可能性、条件と方法を研究しました。大きく3つのプロジェクトを実施し、宇宙文化の創造を探りました。
3. 宇宙ミッション土井宇宙飛行士「絵画」ミッション京都市立芸術大学の提案により、無重量状態での空間感覚の変容を探る抽象画を描きました。 野口宇宙飛行士 [STS-114宇宙文化]
4. 宇宙芸術作品これまでにJAXAと大学等が進めてきた共同研究より生まれた作品を展示しております。
最終更新日:2006年8月17日
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