シロイヌナズナ茎の化学固定条件を最適化するための地上予備実験
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宇宙実験装置EMCS(European Modular Cultivation System)の地上試験用モデル |
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シロイヌナズナを宇宙で栽培し,細胞壁のセルロースやマトリックスをつくるのに関連する約10種類の遺伝子が,宇宙でどう働くかを調べます。
おそらく微小重力の宇宙ステーションでは,細胞壁はそれほど丈夫ある必要がなく,細胞壁の強度を低くし,材料を節約するように遺伝子は働くと想像がつきます。ではいったい,どういうしくみで遺伝子の働きが調整されるのか。それを調べることで,地上で細胞壁が作られているしくみを知ることができるでしょう。つまり細胞壁を強くしたり,弱くしたりするいろいろな遺伝子の働きを調節するやり方や,それが重力によってどう支配されているかを調べようというのがこの実験の大きな目的です。
細胞壁の強さを調節するしくみがわかってくれば,将来,植物の茎の強さや高さを人工的に変えるという場合にも有効な情報を提供するでしょう。また植物がどのように水中から陸上に進出してきたかという,進化過程の解明にもつながります。
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