国際宇宙ステーション(ISS)は、高度約400kmの軌道を飛行します。ISSの中での重力は10-6gから10-4g、すなわち地球上の重力の100万分の1から1万分の1という値です。
この条件では、物質に「重さ」が無くなってしまいます。その結果、物質に浮力が無くなり、流体中の物質は浮かんだり沈んだりすることがなく、さらに、流体を加熱しても対流は起こりません。また、流体中の物質には静水圧がかかりません。たとえば流体中にできた気泡は、静水圧がかからないので、いつも同じ大きさです。
これらの特徴は、結晶成長や臨界点物理学などの研究に有効です。さらに、流体を容器に入れないで保持することができます。これは、容器からの不純物の混入を防止できるだけでなく、地上では考えられない独特の実験を行うことができるのです。
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