
宇宙ステーション補給機(HTV)プレス公開
2006年6月23日、筑波宇宙センター(TKSC)にて宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)のプレス公開が行われました。プレス公開では、熱構造モデルの公開と記者会見が行われ、多くの記者の方が集まりました。
HTVの概要
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| HTVの構成 |
HTVは、補給物資や各種装置などの国際宇宙ステーション(ISS)への輸送、および用途を終えた実験機器、使用後の衣類などの廃棄を目的としています。また、HTVの与圧部は、ISSにドッキング中にISSのクルーが直接乗り込んで物資の移送作業などを行うため、安全に作業できる設計になっています。
HTVは、H-IIBロケットにより打ち上げられ、ISSへドッキングする際には、「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)に把持され、ノード2(結合モジュール2)へドッキングされます。
HTVの運用の流れ
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| H-IIBロケットからの分離 |
カナダアーム2によるISSへの結合 |
カナダアーム2による曝露パレットの取り出し |
大気圏への再突入 |
記者会見
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| 記者会見を行う虎野HTVプロジェクトマネージャ |
記者会見の様子 |
記者会見では、HTVプロジェクトチームの虎野吉彦HTVプロジェクトマネージャと佐々木宏HTVファンクションマネージャより、HTVの概要、特徴、現在の開発の進捗状況、発展性や運用の流れについて説明がありました。会見後半で、質疑応答の時間が設けられ、会見場からは多くの質問が寄せられました。
HTVの熱構造モデル(STM)公開
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| HTVの熱構造モデル公開の様子(与圧部はありません) |
TKSCにある総合環境試験棟で、HTVの試験用モデルが公開されました。今回公開された試験用モデルは熱構造モデル(Structural and Thermal Model: STM)と呼ばれ、宇宙空間での温度環境や、打上げ時の音響、振動に対する耐久性に関わる試験を行うためのものです。
今後の予定
今後は、H-IIBロケットから分離する際に発生する衝撃への耐久性に関わる試験が行われます。 試験で取得されたデータは今後のフライトモデル(実機)の設計に反映され、HTVの開発は進められます。HTVは、2008年度に打ち上げられる予定です。
最終更新日:2006年6月29日
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