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NASAステータスレポート #14 1998年11月4日(水)6:00pm米国中部標準時間 (11月5日9:00am日本時間 ) スペースシャトルディスカバリー号と7人のクルーは、軌道上で進行中の科学実験で大忙しの7日目を過ごしました。この日MSのスティーブ・ロビンソンはスコット・パラジンスキーの協力を得て、オービタ・スペース・ビジョン・システム(OSVS)の試験を行いました。OSVSはスパルタン衛星とシャトルのペイロードベイ(荷物室)に取付けられた特殊なマーキングを使用して、ロボットアームのオペレータに対し、精密な位置決めに関する情報をテレビ画像として提供します。この装置は次の12月のシャトル飛行で国際宇宙ステーションの最初の2つのモジュールをロボットアームで結合するための補助的道具として実際の運用に使われるのですが、本日の試験はその前に軌道上で行われる最後の試験でした。 今日の午後向井千秋飛行士はコマンダー(船長)のカート・ブラウンとジョン・グレンとともに日本の小渕総理大臣と竹山科学技術庁長官からの電話を受けました。またブラウンとグレンそれにパイロットのスティーブ・リンゼイはヒューストンで開催されたNASA創立40周年の祝賀昼食会会場のベテランニュースキャスター、ウォルター・クロンカイトおよびNASAのダニエル・ゴールディン長官と対話しました。NBCのトゥナイトショウのジェイ・レノもこの中でグレン、ブラウン、リンゼイにインタビューし、この模様は今夜NBCのトゥナイトで放送されます。 今日はその他の活動としていくつかの科学実験を継続しました。ブラウン、リンゼイ、ロビンソン、グレンは毎日実施している、背中の痛みに関する質問票への記入を実施しました。これは微小重力下での筋肉、椎間板、骨髄の変化の様子を調査するものです。 グレンと向井は食べたものを記録し、また頭にネット、そして特別な睡眠スーツを今夜再度着用します。このネットには電極が、また睡眠スーツにはセンサーがセットしてあり、脳波、眼球運動、筋肉の緊張度、体の運動、呼吸などをモニターします。電極とセンサーはディジタル睡眠レコーダに接続されており、睡眠中の色々なデータが記録されます。 向井はまた、睡眠実験の一環として睡眠剤のメラトニンかその偽薬が入ったカプセルを服用します。 グレンは過去24時間装着していたホルター心電図を取り外しました。この心電図は宇宙飛行中のグレンの心拍の変化の状況を調べるためのものです。筋肉組織の宇宙での変化をモニターする実験の一環として、グレンとESAの宇宙飛行士ペドロ・デュークから再度採血しました。 グレンとパイロットのリンゼイは宇宙での植物栽培実験をし、その間パラジンスキーとデュークはマイクログラビティー・グローブボックス(MGBX)実験をモニターしました。MGBX実験はコロイド溶液の分散離合の研究とコロイド浮遊の構造の研究をします。コロイドは液体中に浮遊した微粒子で構成される系です。研究者は、原子が秩序正しく配列した固体が形成される際に、秩序性がどのように変化していくのかを知ろうとしています。デュークは最後にこの2つの実験装置を停止させました。 向井飛行士は日本の海水型前庭機能実験装置(VFEU)の作業を続けました。この装置には2匹のガマアンコウが入っていて、内耳の平衡感覚系に重力の変化が及ぼす影響を神経電位を介してモニターしています。 ディスカバリー号の全システムは良好に作動しています。次のステータスレポートは水曜日、米国中部標準時間午前6時頃の予定です。
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