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NASAステータスレポート ＃12 1998年11月3日(火)6:00pm米国中部標準時間 (11月4日9:00am日本時間 ) スパルタン衛星は2日間の科学ミッションを完了して本日の午後回収され、シャトルのペイロードベイ（貨物室）の元の位置に戻りました。スパルタンミッションマネジャーのクレーグ・トゥヘイ氏はクルーと飛行管制チームが計画通りミッションを達成できたことにつきお祝いの言葉を述べました。トゥヘイ氏によればデータの30％はすでに地上に送信されており、残りは帰還後に装置から取出されます。スパルタン担当の科学者リチャード・フィッシャー博士は、太陽活動周期上最も活溌な時期付近でスパルタンを軌道に乗せることができ、これまで探し求めていた太陽爆発現象のデータを捉えることができたと、研究者達が喜んでいると述べました。 コマンダー（船長）のカート・ブラウンが実施したディスカバリー号の軌道変換用エンジンを噴射して軌道を下げ、これによりシャトルを加速してスパルタンの前方に回り込むようにする、という操作によりランデブ作業が始まりました。スパルタンが近くなってからはブラウン船長とパイロットのスティーブ・リンゼイがディスカバリー号を操作してさらに近づき、その間ミッションスペシャリスト１（MS1）のスティーブ・ロビンソンが50フィートのロボットアームを操作しました。MS2のスコット・パラジンスキーも支援して、ロビンソンは米国中部標準時間2:45p.m.（日本時間11月4日5:45a.m.）に手際よくスパルタンを掴み、それから間もなくスパルタンはペイロードベイ（貨物室）の定位置に固定されました。 ＊ ランデブについては、多少事実と異なる書きぶりとなっていますが、ここではミッション・ステータス・レポートの内容をそのまま訳しています。 この作業中、軌道制御の最終段階ではビデオガイダンスセンサーが試験的に使用されました。これは国際宇宙ステーションで使用する自動ドッキングシステムの一部分です。飛行管制官によればシステムは予定どおりの性能を示しました。スパルタンは明日もう一度使用されます。再びスパルタンをペイロードベイの定位置から数時間分離しておき、カメラがスパルタン上の一連の標的マークの方を指向することを確認します。これらのカメラはスペースビジョンシステムをテストするためのものです。スペースビジョンシステムは遠隔制御カメラの映像を使って、ロボットアームオペレーターが直接見えないところを見えるようにするものです。 本日はスパルタンの運用に注目が集中しましたが、その他の科学研究活動も行われています。向井、グレン両ペイロードスペシャリストはパラジンスキーおよびESAのミッションスペシャリストのペドロ・デュークとともに、無重量における筋肉の変化を研究するタンパク質代謝実験の一環として、血液サンプルの採取を行いました。 グレンさんはさらに心拍を記録するための電極とデータレコーダを体に取り付けました。これは宇宙飛行中の脈拍の変化を調べる研究の一環です。グレンさんはまたOSTEO実験の一環として培養中の骨細胞に培土を補給しました。OSTEOは微小重力下における骨細胞の変化を調べるものです。グレンさんのもう１つの作業はADSEP実験で、これは微小重力下で純粋な生物学的物質の分離抽出を試みます。 グレンさんとデュークさんは植物栽培実験、および２種類の抗ガン剤を含んだカプセルを形成するMEPSマイクロカプセル静電処理システムの操作を行いました。デュークさんはグローブボックス（MGBX）の様子をビデオに納め更に写真撮影をしました。MGBXはコロイドすなわち流体中に浮遊する微粒子の挙動を調べるために使用します。向井さんは日本の前庭機能実験装置（VFEU）の仕事を続けました。VFEUには２匹のガマアンコウが入れてあり、内耳の平衡感覚系に重力の変化が及ぼす影響を調べるため、その神経活動をモニタしています。ディスカバリー号の全システムは正常に作動しています。 次のステータスレポートは米国中部標準時間11月4日（水）6:30a.m.（日本時間11月４日（水）9:30p.m.）頃の予定です。
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