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NASAステータスレポート #05 1998年10月31日(土)7:30am米国中部標準時間(10月31日10:30pm日本時間) 本日より、ディスカバリー号のクルー達は、軌道上における身体の変化と地上における自然の老化を比較する医学的研究を本格的に開始します。 77歳のペイロードスペシャリスト(PS)のジョン・グレンが、本日より宇宙飛行中における身体の変化を調べるため10回の血液サンプルおよび16回の尿サンプルの提供を始めます。研究者は、微小重力が人間の平衡感覚や認知機構、免疫能、骨量・筋量の変化、エネルギー代謝、血流量及び睡眠に与える影響についてより深く理解することを期待しています。35歳のミッションスペシャリスト(MS)のペドロ・デュークも同様に血液サンプルを提供します。採血は、熟練した医師であるMSのスコット・パラジンスキーおよびPSの向井千秋が担当します。 採取された血液の一部は、「宇宙飛行におけるタンパク代謝研究」に用いられます。この研究は、タンパクの合成と分解のバランスを調べるものであり、このようなタンパクの代謝は筋肉の萎縮にも関連しています。被験者となる宇宙飛行士には、特別に標識された少量のアラニンとヒスチジン(アミノ酸の一種)を、血液採取12時間前に投与されます。この研究は、地上で筋肉の衰えや骨粗鬆症に悩む人たちに役立つでしょう。 軌道上の研究者は、さらに植物や動物等が重力のない状態でどのように反応するかの研究も続けます。カナダのSVS (Space Vision System) の開発者が、スペースシャトルのペイロードベイ(貨物室)の幾つかのカメラを切り換えることにより、ISS(国際宇宙ステーション)の組立に使用するロボットアームの操作者の為に、高精度の位置決め情報を提供するソフトウェアのチェックを行います。 FD3の早い時間にカート・ブラウン船長が、シャトルの飲料水供給装置からヨウ素を取り除く試験済みの確実な方法に切り換えます。これは昨日、クルーが飲料水を初めて飲んだところ「妙な味がする」と報告があったためです。地上研究者は、現在、妙な味の原因を調査中です。ヨウ素は、水タンクおよび配管中の汚染防止のために使用されていますが、飲料や調理に使用する前に取り除かれます。 午前11時34分(CST:米国中部標準時間)、ブラウンおよびグレンは、オハイオ州コロンバスの科学および工業センター(Center of Science & Industry)、バージニア州アーリントンのニューセアム(Newseum)およびオハイオ州のニューコンコルドのジョン・グレン高等学校の生徒らの質問に答えることになっています。 クルーは、7時10分(CST)に起床、「Cachito」の曲で目覚めました。この曲は、最近子供の産まれたデュークの奥さん"Consuelo"のリクエストです。クルーの就寝時間は、午後10時35分(CST)です。
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